SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第2回開催です。

ProductZine Day 2024 Winter

ProductZine Day 2024 Winter

「Developers Summit 2024」レポート(AD)

元ソフトウェアエンジニアが挑む、初めての新規事業開発。顧客のBurning Needsを求めてたどり着いた答えとは?

【16-A-6】マーケットインアプローチで挑む新規プロダクトの立ち上げ

 40年以上にわたって、ソフトウェア開発の品質向上活動を切り開いてきた株式会社ベリサーブ。同社ではこれまで、身近な業務の効率化や技術を起点とした「プロダクトアウト」のアプローチで、さまざまな製品開発を行ってきた。しかし、新たな挑戦として「マーケットイン」のアプローチを採用した新規事業開発に挑んでいるという。2月15~16日に開催されたDevelopers Summit 2024では、その試行錯誤について、同社 研究企画開発部 サービス開発課 田中志弥氏が語った。

編集部注

 本稿は、CodeZineに掲載された、ソフトウェア開発者向けカンファレンスDevelopers Summit 2024(デブサミ2024)のセッションレポートを転載したものです。プロダクトづくり、プロダクトマネジメントに近しいテーマを選りすぐってお届けします。

エンジニアが陥りがちなHow起点の新規事業開発から脱却するために

 2023年7月にベリサーブにジョインする以前は、BtoCの事業会社でWebエンジニアやテックリードとしてサービス開発や新規プロダクトの立ち上げに従事してきたという田中氏。

 プロダクトマネージャーとして入社してから約2カ月がたち、オンボーディングを無事に終えて新たな仕事にもなじんできた頃、同社ではコーポレートロゴと事業ドメインが再規定されることになった。

新しくなったベリサーブのコーポレートロゴと事業ドメイン
新しくなったベリサーブのコーポレートロゴと事業ドメイン

 「品質を創造する力でイノベーションを加速する会社」と銘打ち、より幅広い事業ドメインでビジネスを展開していこうと舵を切ったのだ。そんな会社の事業戦略の変更に伴い、上司から「何か新しいプロダクトを作れ」と命じられた田中氏は、当初戸惑いを覚えたという。

 「0→1プロダクトへの参画経験はあるけれど、新規事業の立案経験はゼロ。テストコードを書いたり、CI環境を構築したりした経験はあるけれど、テスト/QA専門家としての経験もゼロ。テーマは自由だと言われたが、縛りがないのは、それはそれでつらいものがあった」と語る。

 田中氏自身、手応えはないながらも、見よう見まねで書いた企画書を出してみたが、あえなく撃沈。上司から次の3つのフィードバックをもらった。

  1. イノベーションを加速するものであれば、QA/テスト分野に縛られなくてもよい
  2. HowよりWhat・Whyを考えろ
  3. 顧客は本当にその問題を抱えているのか?

 「HowよりWhat・Whyを考えろ」とは、どういうことなのか。田中氏はエンジニアとしてキャリアを歩んできたため、どうしても「どういう技術を使って作るのか」というHowのほうに目が向いてしまいがちだった。けれども、これは顧客にとってはどうでもいいことだ。それよりも大切なのは、「誰の(Who)どんな課題を(What)なぜ私たちが解決するのか(Why)」である。

 実際に考えてみると、WhoとWhyは次のように比較的スムーズに固まったという。

Who:

  • Webプロダクト開発チーム

Why:

  1. Webプロダクト開発をより良いものにしたい:Webプロダクト開発に携わってきた人間として、体験をより良いものにしたい
  2. PLG(Product-Led Growth)との親和性:プロダクトがプロダクトを売り込むような、営業やマーケティングの機能をプロダクトに内包する戦略。フリーミアムからの有料化を狙う
  3. ドッグフーディングによる自己顧客化:自社のプロダクトを日常的に使用することで改善していく。BtoB企業で部門横断的に使われることを狙うサービスには非常に有効である

 残るはWhatだ。顧客の課題を田中氏はどのように見つけていったのだろうか。

次のページ
Whatはどこにあるのか?

この記事は参考になりましたか?

「Developers Summit 2024」レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ベリサーブ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/2515 2024/04/11 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング