編注
原文:「The Guide to Product Analytics」。翻訳にあたり若干加筆修正を行っています。
プロダクトバリュー(価値)から始めよう
デジタルプロダクトマネジメントの領域で成功するためには、「ユーザーの行動を理解して最適化すること」が非常に重要です。これを実現するには、プロダクト分析の基本概念を把握することから始めることが必要です。なぜなら、プロダクト分析は、プロダクト開発の取り組みを導く羅針盤であるからです。
どんなデジタルプロダクトの中核にも、「ユーザーにバリュー(価値)を届ける能力」があります。簡単に言えば、ユーザーがプロダクトにバリューを見いだすことができた場合は使い続けてくれますし、そうでなければ離脱してしまいます。プロダクトのバリュープロポジション(自社独自の、ユーザーに提供する明確な価値)を定義することは、プロダクトの成功への過程において、極めて重要な第一歩となります。
プロダクトバリューを理解する
「プロダクトがどのようにバリューをもたらすか?」という問いは、本質的なものです。プロダクト分析ツールは多くの洞察を提供してくれますが、人々がプロダクトを使う理由まで正確に定義してくれるものではありません。そのような状況でも、プロダクトマネージャーのほとんどの人が、自社のプロダクトのバリュープロポジションを直観的に理解できています。
例えば、Fitbitのユーザーはモチベーションを求めており、Netflixの視聴者はエンターテイメントを切望しています。また、Weight Watchersアプリのユーザーはコミュニティの応援に励まされている、といったことを理解しているのです。
プロダクトバリューの理解には、一歩引いたところから「ユーザーがプロダクトで何を達成したいのか、そしてプロダクトの本質は何か」を見極める必要があります。成功するデジタルプロダクトは、多くの場合、ユーザーの暮らしをもっと楽にし、節約につながり、便利にしてくれるものです。バリューを表す具体的なユーザー行動を特定することは、サステナブルなプロダクトを構築する上で極めて重要です。