LT5:ファーストリリースを迎えるまでのしくじり
- 発表者:KINTOテクノロジーズ株式会社 仲野裕文氏
- 発表スライド
概要
本セッションでは、新規プロダクトのファーストリリースまでに経験したさまざまな失敗と、そこから得られた教訓が共有されました。特に、チーム構成やコミュニケーション、品質管理に関する課題が焦点となりました。
しくじりの内容と背景
ファーストリリースに向けた開発プロセスで、以下のような問題に直面しました。
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チーム構成のアンバランス
- 開発チームの人数が多すぎて、コミュニケーションやタスク分割に苦戦しました。特にネイティブアプリ開発において、OS別のチーム規模の不均衡が問題となりました。
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OS間での仕様差の発生
- QA段階で、iOSとAndroid間で仕様の差異が発見されました。これはPM間のコミュニケーションエラーや認識の齟齬が原因でした。
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リリース直後のインシデント発生
- リリースと同時に、想定外の「隠しカテゴリ」が登場するという問題が発生しました。これは事業側のメンバーとの情報の非対称性が原因でした。
これらの問題により、開発の遅延、品質の低下、そしてリリース直後のクリティカルな問題発生につながりました。
学びと対策
これらの経験から、以下の対策が講じられました。
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適切なチーム規模とバランスの重要性
- ネイティブアプリ開発では、OSごとにメンバー数をバランスよく配置することが重要だと分かりました。
- バランスの良い配置をすることにより、コミュニケーションパスを減らし、タスク割り振りを効率化できます。
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OS間の仕様統一の必要性
- QA中にOS間で仕様差が発生するという問題から、PM間のコミュニケーションと認識の統一が不可欠だと気づきました。
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事業側との情報共有の強化
- リリース直後のインシデント発生から、事業側のメンバーとの情報共有が極めて重要だと実感しました。
- 対策として、事業側のミーティングにPMも参加し、情報をキャッチできる体制を作りました。
これらの経験から、チーム構成、OS間の仕様統一、事業側との情報共有など、さまざまな側面でのコミュニケーションと管理の重要性が浮き彫りになりました。
今後の課題として、「サービスへの理解が深まった段階で、よりネイティブアプリという特性を踏まえた体験設計を実施する」ことが挙げられています。これは、これまでの学びを活かしつつ、プロダクトの特性をより深く理解し、ユーザー体験の向上を目指す次のステップとなるでしょう。
総括
本LTでは、ネイティブアプリのファーストリリースにおける具体的な課題が共有されました。PMは、OSごとのチーム規模バランスの調整、クロスプラットフォーム確認の実施、事業部門のミーティングへの参加など、実践的な対策を講じました。これらの経験は、複数のプラットフォームにまたがる開発において、PMが横断的な調整役を担う重要性を示しています。