ポイント① はじめにリサーチの目的・ゴールを明らかにする
顧客を理解するためのインタビューはどのようなシーンで行われるのでしょうか。本連載の第2回にも書きましたが、「顧客理解(ユーザーリサーチ)」のインタビューは主に以下のようなシーンで行われることが多いと思います。
状況によっては、いくつかの要素を包含するような場合もあると思いますが、どんなシーンであっても、何のためにインタビューを実施するのか(目的)、インタビューの結果をどう活用するのか(ゴール)を事前に定める必要があります。そして、それをチームで共有し、認識を合わせておくことが大切です。具体的にどのようなアプローチで目的、ゴールを設定すればよいかについては、連載第1回の「はじめにリサーチの目的・課題を明らかにする」の章をご覧ください
ポイント② インタビューで「これだけは持ち帰りたい」ものを決めておく
インタビューの目的とゴールを明確にした後は、それを実現するための「インタビュー課題と仮説」の洗い出しや、インタビューで検証すべき点を明確にします。このステップは、限られたインタビュー時間の中で「分かりたいこと」をより深く理解するために必要なプロセスです。一口に課題と仮説と言っても、すでにある程度分かっていること(既知情報)と想像もつかないこと、ぼんやりと理解していること(未知情報)の違いがあります。インタビューで明らかにするのは後者です。
特に、プロダクト開発の初期段階では、未知のことを探るためにインタビューをすることが多いと思います。その場合、インタビュー仮説を整理しようとしても「あえて聞かなくても想定できること」や「分かったつもりになっていること」の羅列に陥ることが多く、課題と仮説をうまく設定できないとお悩みの方もいらっしゃると思います。これは、「知っていること」と「知らないこと」の境界線はあいまいなので、仕方がないことだとも言えます。
初めのうちは、事前に分かっていること、課題に対する自分たちの考えを整理しておくというつもりで課題や仮説を整理し、次の段階に進むためには「これだけは理解したい、持ち帰りたい」というテーマを定めるのがよいでしょう。プロダクト開発を後から振り返ると、最初の仮説とはかけ離れたところにたどり着くことも少なくありません。最初からドンピシャな課題や仮説を設定するのは極めて難しいと思った方がうまくいくと思います。