調査企画時
前編では、1.調査の目的、課題、ゴールを明確に定義し、2.誰に(WHO)、何を訊く(WHAT)をセットで考えることが重要だと述べました。具体的にいえば、調査企画の段階では図1のような項目を事前に整理します。各項目について必要な情報が網羅されていれば、体裁にこだわる必要はないのですが、ここで定めた情報は後から報告書などに活用することが多いので、全体が1~2ページにまとまっているほうが使いやすいと思います。

図1 プロジェクト要件と調査の目的、ゴール
(クリックまたはタップで拡大表示、以下同様)
この際のポイントは、「プロジェクトの前提・条件」と、「本調査の目的・ゴール」は同じではないということです。調査に至った背景や、プロジェクトとして満たすべき条件を基に、この調査で何を明らかにし、調査後にどのようなアクションを取るのかを整理します。それを踏まえて、調査の目的やゴール、前提となる「仮説」を明確に定義することが重要です。資料の表現は、箇条書きでも文章でもどちらでもよいと思います。ただし、あいまいでいかようにも取れるような表現にするのではなく、誰が読んでも同じことをイメージできるようにすることを重視してください。また、調査後のアクションや、いつまでに意思決定をするのかなどのタイムスケジュールもこの段階で明確にしておく必要があります。
調査目的やゴールなどを定めた後は、その達成に必要な要素をまとめておくのがよいでしょう。具体的には図2のように「質問項目」やそれを構造化した「樹形図」を用意すると、全体像が理解しやすいと思います。企画の段階では、実際の調査票と同じ流れでなくて構いません。思いつくままに項目を出した後に、類似のものをまとめて構成しましょう。またそれぞれの「優先度」も記しておいた方がよいでしょう。
