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ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門

プロダクトマネージャーが仮説検証アンケートを効果的に行うためには?(後編)

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門 第8回

 前編では、仮説検証アンケートのプロセスごとに留意すべき点について説明しました。後編となる今回は、実際にプロダクト開発や新機能の開発時の検証アンケートで、私たちが使っているフレームワークや分析手法、報告書を例示しながら何をアウトプットしているのかについてご紹介します。

調査企画時

 前編では、1.調査の目的、課題、ゴールを明確に定義し、2.誰に(WHO)、何を訊く(WHAT)をセットで考えることが重要だと述べました。具体的にいえば、調査企画の段階では図1のような項目を事前に整理します。各項目について必要な情報が網羅されていれば、体裁にこだわる必要はないのですが、ここで定めた情報は後から報告書などに活用することが多いので、全体が1~2ページにまとまっているほうが使いやすいと思います。

図1 プロジェクト要件と調査の目的、ゴール(クリックまたはタップで拡大表示、以下同様)

図1 プロジェクト要件と調査の目的、ゴール

(クリックまたはタップで拡大表示、以下同様)

 この際のポイントは、「プロジェクトの前提・条件」と、「本調査の目的・ゴール」は同じではないということです。調査に至った背景や、プロジェクトとして満たすべき条件を基に、この調査で何を明らかにし、調査後にどのようなアクションを取るのかを整理します。それを踏まえて、調査の目的やゴール、前提となる「仮説」を明確に定義することが重要です。資料の表現は、箇条書きでも文章でもどちらでもよいと思います。ただし、あいまいでいかようにも取れるような表現にするのではなく、誰が読んでも同じことをイメージできるようにすることを重視してください。また、調査後のアクションや、いつまでに意思決定をするのかなどのタイムスケジュールもこの段階で明確にしておく必要があります。

 調査目的やゴールなどを定めた後は、その達成に必要な要素をまとめておくのがよいでしょう。具体的には図2のように「質問項目」やそれを構造化した「樹形図」を用意すると、全体像が理解しやすいと思います。企画の段階では、実際の調査票と同じ流れでなくて構いません。思いつくままに項目を出した後に、類似のものをまとめて構成しましょう。またそれぞれの「優先度」も記しておいた方がよいでしょう。

図2 調査項目の樹形図
図2 調査項目の樹形図

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調査票設計時

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この記事の著者

平野 美和(株式会社ユニークルーパー)(ヒラノ ミワ)

株式会社ユニークルーパー 代表。Googleの「デザインスプリント」に精通し、プロダクト開発のリサーチを体系化する「DSR(デザインスプリントリサーチ)」を自社開発。リサーチはプロダクト開発のインプット情報と位置づけ、プロダクトマネージャーと並走するリサーチャーを自負する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3437 2025/05/15 11:00

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