SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門

プロダクトマネージャーが仮説検証アンケートを効果的に行うためには?(前編)

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門 第7回

 前回まで、はじめての「顧客理解インタビュー」で、これだけは押さえたい3つのポイントと題して、インタビュー調査のコツについて解説してきました。今回は、プロダクト開発の初期段階で導き出した仮説をアンケート調査で検証する際のポイントを解説します。アンケート調査の具体的な手順は、マーケティングリサーチやUI/UXリサーチの教本に詳しく書かれていたり、調査会社のWebサイトなどでも分かったりするため、本連載では、プロダクト開発における仮説検証アンケートで留意すべき点について2回に分けて解説します。

仮説検証アンケートを効果的に行うために

 プロダクトマネージャーにとって、プロダクトの成否は仮説検証をどのように行うかによって決まるとも言えます。そして、仮説検証の精度はデータの質によって左右されます

 ただし、データの質を高めることばかりに注力してしまうと、スピード感やダイナミックさが失われてしまいます。そのため、クイックにポイントを絞って検証するプロセスと、綿密に計画して次の展開を判断するプロセスとを組み合わせて取り組むのが効果的です。いずれにせよ、一度の仮説検証アンケートですべてを判断できるわけではないので、プロダクト開発の早期から何度も繰り返すことが重要です。

 また、仮説検証のためのアンケート調査は、企画から設計、実査、集計・分析、意思決定に至るまで多くの注意点があります。ここからは、プロセスに沿ってポイントをお伝えします。

【企画】1.目的、課題、ゴールを明確に定義する

 これまでも何度も述べていますが、はじめにリサーチの目的、課題、ゴールを明確に定義することが重要です。特に、仮説を組み立てる際に何度もインタビュー調査を行っている場合は、はじめに設定した目的やゴールとは状況が異なっていることが大半です。初期の定義に固執するのではなく、状況に応じて臨機応変に見直すようにしましょう。目的やゴールを具体的にどう設定するかは、連載第1回の「はじめにリサーチの目的・課題を明らかにする」を参照してください。

【企画・設計】2.誰(WHO)に何(WHAT)を訊くかをセットで考える

 「何」が刺さるかどうか、必要とされるかどうかは、「誰」に聞くかによって違います。そのため、WHOとWHATはセットで考えなければなりません。つまり、ユーザーのペインやバーニングニーズ、プロダクトの種やソリューションの価値などの「WHATの仮説」と、それを持つ、あるいは必要としている「WHOの仮説」を事前に想定しておく必要があります。

 プロダクト開発でよくあることですが、WHATは綿密に考えて定義しているのに、WHOの仮説があいまいなために、結局、誰が本当に必要としているのかがよく分からなかった、となることがあります。そうならないためにも、開発の初期段階からWHOとWHATの仮説を組み合わせて、クイックに検証していくことをお勧めします。

図1 WHOの仮説とWHATの仮説の関係性
図1 WHOの仮説とWHATの仮説の関係性

次のページ
【設計】3.バーニングクエスチョンから考える

この記事は参考になりましたか?

新人プロダクトマネージャーのためのユーザーリサーチ入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

平野 美和(株式会社ユニークルーパー)(ヒラノ ミワ)

株式会社ユニークルーパー 代表。Googleの「デザインスプリント」に精通し、プロダクト開発のリサーチを体系化する「DSR(デザインスプリントリサーチ)」を自社開発。リサーチはプロダクト開発のインプット情報と位置づけ、プロダクトマネージャーと並走するリサーチャーを自負する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/3384 2025/04/15 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング