仮説検証アンケートを効果的に行うために
プロダクトマネージャーにとって、プロダクトの成否は仮説検証をどのように行うかによって決まるとも言えます。そして、仮説検証の精度はデータの質によって左右されます。
ただし、データの質を高めることばかりに注力してしまうと、スピード感やダイナミックさが失われてしまいます。そのため、クイックにポイントを絞って検証するプロセスと、綿密に計画して次の展開を判断するプロセスとを組み合わせて取り組むのが効果的です。いずれにせよ、一度の仮説検証アンケートですべてを判断できるわけではないので、プロダクト開発の早期から何度も繰り返すことが重要です。
また、仮説検証のためのアンケート調査は、企画から設計、実査、集計・分析、意思決定に至るまで多くの注意点があります。ここからは、プロセスに沿ってポイントをお伝えします。
【企画】1.目的、課題、ゴールを明確に定義する
これまでも何度も述べていますが、はじめにリサーチの目的、課題、ゴールを明確に定義することが重要です。特に、仮説を組み立てる際に何度もインタビュー調査を行っている場合は、はじめに設定した目的やゴールとは状況が異なっていることが大半です。初期の定義に固執するのではなく、状況に応じて臨機応変に見直すようにしましょう。目的やゴールを具体的にどう設定するかは、連載第1回の「はじめにリサーチの目的・課題を明らかにする」を参照してください。
【企画・設計】2.誰(WHO)に何(WHAT)を訊くかをセットで考える
「何」が刺さるかどうか、必要とされるかどうかは、「誰」に聞くかによって違います。そのため、WHOとWHATはセットで考えなければなりません。つまり、ユーザーのペインやバーニングニーズ、プロダクトの種やソリューションの価値などの「WHATの仮説」と、それを持つ、あるいは必要としている「WHOの仮説」を事前に想定しておく必要があります。
プロダクト開発でよくあることですが、WHATは綿密に考えて定義しているのに、WHOの仮説があいまいなために、結局、誰が本当に必要としているのかがよく分からなかった、となることがあります。そうならないためにも、開発の初期段階からWHOとWHATの仮説を組み合わせて、クイックに検証していくことをお勧めします。
