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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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SaaSプロダクトの実例から学ぶプロダクトマネージャーとチームの理想的なあり方

プロダクトマネージャーはどのように認知バイアスを乗り越えるべきか

SaaSプロダクトの実例から学ぶプロダクトマネージャーとチームの理想的なあり方 第3回

 本連載では、EdTechスタートアップ企業「モノグサ」のプロダクトマネージャーが普段の実践に基づく知見を、さまざまな切り口でお届けします。第3回は、プロダクトマネージャーのギョウム・マチュー(Guillaume Mathieu)さんに、業務における認知バイアスとの向き合い方について詳しく説明していただきました。(編集部)

はじめに

 第2回に引き続き、今回はモノグサでプロダクトマネージャーとして働いているマチューから寄稿させていただきます。(改めてになりますが)EdTechスタートアップとして、私たちの会社では「記憶の定着」に特化したSaaS型学習サービス「Monoxer」を展開しています。このサービスは、学校、塾、企業をはじめとする多くの現場で活用され、記憶定着の支援とその可視化を通じて、学業成績の向上、資格取得、企業研修の効率化をサポートしています。また、昨年にリリースした幼児向け学習アプリ「Monoxer Junior」は、2025 CES Innovation Awardを受賞するなど、新規toCサービスの展開も進めています。

 前回までの記事では、モノグサのVPoPよりスタートアップにおけるプロダクトマネージャーチームの立ち上げや、OKR・North Star Metricの運用についてご紹介しました。今回は、プロダクトマネージャーの業務における認知バイアスについて取り上げます。プロダクトマネージャーは日々の意思決定の中で、無意識のうちに認知バイアスの影響を受けることがあります。この記事では、そのバイアスに対処し、より良いプロダクトをユーザーや顧客に届けるための方法をお伝えします。少しでも皆さんの業務の参考になれば幸いです。

1.「認知バイアス」とは何か?

認知バイアス(cognitive bias)とは?

 ウィキペディアによれば、認知バイアスとは「判断が合理性から逸脱するパターン体系の一つ」とされています。簡単に言えば、私たちが無意識のうちに誤った判断をしてしまう傾向のことです。

 1972年の研究論文で初めて認知バイアスが取り上げられて以来、多くの研究が進められ、さまざまなバイアスの種類や、それが日常の意思決定に与える影響が明らかになってきました。

主な認知バイアスの種類

 認知バイアスにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的なものを紹介します。

確証バイアス(Confirmation Bias)

 最も広範で影響力のあるバイアスの一つであり、自分の信念や意見を裏付ける情報ばかりを集め、反対意見や異なる視点を無視する傾向のこと。例えば、自分の考えに合致するデータを優先的に採用し、都合の悪い情報を軽視してしまう。

可用性バイアス(Availability Bias)

 すぐに思い出せる情報を重視し、それが現実を正しく反映していると考えてしまう傾向。例えば、知人が交通事故に遭った話を聞くと、「交通事故はとても多い」と思い込むが、実際の発生率を冷静に比較していない。

バンドワゴン効果(Bandwagon Effect)

 「みんながやっているから」と流行や多数派の意見に流されてしまう傾向。SNSで人気のある意見を無意識に正しいと感じてしまうのも、このバイアスの影響である。

認知バイアスを体系的に整理した図(英語版ウィキペディアより)
認知バイアスを体系的に整理した図(英語版ウィキペディアより)

 このように、認知バイアスは私たちの思考に大きな影響を与えています。プロダクトマネージャーが正しい判断を下すためには、まず自分自身がこうしたバイアスの存在を理解し、それに気づくことが重要です。

次のページ
2.認知バイアスとプロダクトマネジメント

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この記事の著者

Guillaume Mathieu(モノグサ株式会社)(ギョウム・マチュー)

モノグサ株式会社 プロダクトマネージャー フランスのグランドエコールでMEng、カナダのマギル大学でMBAを取得。自動車業界、ルノー・日産でエンジニーリングマネージャとして国際的キャリアを積んだ後、プロダクトマネージメントへシフト。EdTechの分野で自身のスタータップを設立し、2022年にモ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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