3.入社3か月目──チームオリジナルのアクティビティを推進
プロダクトマネージャーの業務は、プロダクト戦略の立案・遂行、ユーザーリサーチや課題特定、開発の優先順位決定やプロジェクト推進など、多岐にわたります。特にスタートアップでは、こうしたプロダクトマネジメント業務に加え、組織・会社全体への貢献も求められます。モノグサのプロダクトマネージャーチームでは立ち上げ期から開発プロセスの可視化や採用サポートなど、プロダクト外の活動も行っているので、実践したいくつかの取り組みを紹介します。
プロダクトマネージャー業務マップの作成
プロダクトマネージャーの業務範囲は会社ごとに異なります。特に、立ち上げ期で中途入社者が多い場合、メンバーごとに業務範囲に差が生じることがあります。そこで、チーム全体の業務マップを作成・公開し、他職種のメンバーが混乱しないよう調整しました。この取り組みにより、プロダクトマネージャーの役割や期待値を明確にし、スムーズな業務の受け渡しが実現しました。
全体開発プロセスの可視化
プロダクト開発の企画からリリース・運用までのサイクルを可視化し、各職種の役割をドキュメント化しました。エンジニアやプロダクトマネージャーにとっては暗黙知であった流れも、ドキュメントにすることでビジネスメンバーも理解しやすくなり、段階ごとにどの職種が関与するかが明確になりました。これにより、チーム全体のコミュニケーションが円滑になりました。
開発優先順位ロジックの策定
開発の優先順位はプロダクトマネージャーが裁量を持って決定しますが、そのロジックを社内に公開しました。これにより、ビジネスや運用チームから「なぜこの課題が後回しになっているのか」といった疑問が出た場合でも理解を得やすくなり、優先順位への納得感も向上しています(詳細は社外秘のため非公開)。
システム概要図の作成
スタートアップでは、システム構成や論理モデルの概要がドキュメント化されていないことがよくあります。システムが拡大すると、中心メンバーの暗黙知だけでは情報や認識にずれが生じるため、俯瞰したシステム機能概要のドキュメントを「マスタードキュメント」として整備しました(詳細は社外秘のため非公開)。
プロダクトマネージャーの業務に関連する記事の発信
採用と認知度向上を目的に、プロダクトマネージャー業務やチームアクティビティを自社メディアで発信しています。これにより、求職者が会社やプロダクトに関する理解を深めやすくなり、アトラクト効果も向上しています。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、中途入社者のチームへのジョイン方法や、プロダクトマネージャーチームの新規立ち上げについて、実践に基づいてご紹介しました。新たなチームを立ち上げる機会は限られているかもしれませんが、既存チームの運営にも応用できる考え方やアプローチが含まれているかと思います。読者の皆様のチームづくりやマネジメントにおいて、活用できる場面があれば幸いです。
次回は、「プロダクトマネージャーチームのOKR設定方法」などを中心にご紹介する予定です。お楽しみに。