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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

生成AI時代の“つくりながら巻き込む”プロトタイピング

生成AIで誰でもつくれる「プレスリリースプロトタイピング」、実践手順と得られるビジネス効果とは?

生成AI時代の“つくりながら巻き込む”プロトタイピング 第1回

生成AIを活用したプレスリリース作成のステップ

 プレスリリースプロトタイピングは、生成AIを活用することで、より短時間かつ手軽に実施できます。以下の4ステップで構成されます。

  1. 指示プロンプトの作成
  2. プレスリリースの生成
  3. 生成結果のレビュー・修正
  4. 生成結果を用いたMTG(ミーティング)・再生成

ステップ1:指示プロンプトの作成

 以下にテンプレートをご用意しました。各項目にご自身のプロジェクト情報を記入してお使いください(例文は削除してご活用ください)。

テンプレートプロンプト
# リリースタイトル:
ここにリリースタイトル入れ込み(本テキストと例は削除してください)
例)「生成AIを活用して、新しい価値を探索するためのプロトタイピング手法を探究するリサーチプロジェクトをスタート」

# プレスリリースの背景・目的:
ここにプレスリリースの背景・目的入れ込み(本テキストと例は削除してください)
例)「Chat GPTなどの生成AIが進化したため、プロトタイピングにおいても活用が容易になってきた。そのため、プロトタイピングにおける生成AIの活用方法を考える」

# 主な内容(機能・特色):
ここに主な内容(機能・特色)入れ込み(本テキストと例は削除してください)
例)「生成AIを用いたたくさんのプロトタイプの種類が、具体的な制作方法が記述されている」

# ターゲットと価値・メリット:
ここにターゲットと価値・メリット入れ込み(本テキストと例は削除してください)
例)「ノンデザイナー・エンジニアで、ものづくりをしたことがない人が対象。その方々が、つくる方法を教えることで、学習や意思決定、コミュニケーションの効率化につなげる」

# スケジュール・今後の展望:
ここにスケジュール・今後の展望入れ込み(本テキストと例は削除してください)
例)「2025年末にリリース」

【出力に関する要望】
1. 日本語でビジネスフォーマルかつ分かりやすい文章にしてください。
2. プレスリリースの一般的な構成に沿って、以下のような項目を含めてください:
   - タイトル/リード文/本文/キーパーソンのコメント/問い合わせ先
3. 読みやすいように見出しや小見出しを適宜使い、箇条書きは整然とまとめてください。
4. 「なぜこのリリースが重要なのか」を明確に伝えるトーンで書いてください。
5. 全体の文体は敬体(です・ます調)で統一し、句読点や誤字脱字にも配慮してください。
6. 必要に応じて数値や具体例を挿入し、読者が「具体的なイメージ」を持てるようにしてください。
7. 結びの部分で読者が問い合わせやアクションを起こしやすいよう促してください。
8. 適宜メディアに取り上げられそうな、キャッチーな表現にしてください

ステップ2:プレスリリースの作成

 チャットAI(ChatGPT、Geminiなど)に、調整したプロンプトを打ち込み、プレスリリースを生成してください。

ステップ3:生成結果のレビュー・修正

 生成したプレスリリースを確認し、出力して、イメージと違うところがあれば修正します。数回出力を繰り返して、コンセプトが異なるなど、方向性が違う3~5種類程度のプレスリリース案を一覧して見られる状態にします。

ステップ4:生成結果を用いたMTG・修正

 一覧して見られる状態にしたプレスリリースを関係者で見ながら、訴求ポイントや認識の乖離がないかという視点でディスカッションを実施し、意見を踏まえてプレスリリース案を修正します。また、ミーティングの最中にプロンプトを修正して、その場で生成することで、ディスカッション内容の齟齬を防ぐことが可能です。

 以下は、実際に本生成AIとプロトタイピングのプロジェクトを開始するにあたり、関係者で作成したプレスリリースプロトタイプです。「1,000 Prototypes with Generative-AI」というコンセプトに落ち着くまでには、「The Fastest Prototypes with GenAI」「Generated Prototypes with AI」「AIとプロトタイプをつくる 100の方法」などのタイトル案も生成したものの、関係者がしっくりきませんでした。そのディスカッション上で「100の方法は良いよね、ではプロトタイプの数を増やすアプローチは?」という意見がでて、以下のプレスリリース案に一本化されました。

生成例
「1,000 Prototypes with Generative-AI」
~生成AIを活用して、新しい価値を探索するためのプロトタイピング手法を探究するリサーチプロジェクトを始動~

1枚の絵は1000の言葉に値する。1つのプロトタイプは1000枚の絵に値する。では、1000のプロトタイプは?
" A picture is worth a thousand words.A prototype is worth a thousand pictures.So, what about a thousand prototypes?"

株式会社LIFULL(本社:東京都○○、代表取締役社長:○○、以下「LIFULL」)とS&D Prototyping株式会社(本社:東京都○○、代表取締役:○○、以下「S&D Prototyping」)は、生成AI(Generative AI)を活用し、非エンジニア・非デザイナーを含むあらゆるビジネスパーソンが最短時間でプロトタイプを構築できる方法論を明らかにする共同リサーチプロジェクト「The Fastest Prototypes with GenAI」を立ち上げたことをお知らせいたします。

プロジェクト概要
背景・目的
近年、ChatGPTなどの生成AIが急速に進化し、今までエンジニアやデザイナーの領域とされていたプロトタイプ開発が、より多くの人々に開かれつつあります。しかし、「どのようにAIを使えば具体的にものをつくれるのか」については、明確な指針が十分に示されていないのが現状です。
本プロジェクトでは、生成AIを使って最短時間でプロトタイプを開発する具体的な手法を探究・整理し、その成果を広く社会に共有することを目指します。企業などで新規事業やサービス開発に取り組むビジネスパーソンが、エンジニアやデザイナーの専門知識にとらわれず、スピード感を持って仮説検証を行えるようになることをゴールとしています。

研究内容
生成AIを活用したプロトタイピング手法の調査・検証
各種テキスト生成AI、画像生成AI、コード生成AIなどを用いた最短プロトタイプ開発の事例収集
最適なワークフローやツールの組み合わせに関するノウハウ整理

成果物の公開
2025年4~5月頃:研究過程や一部知見を記事として順次公開(noteなど)
2025年7月頃:最終的なリサーチ結果(プロトタイプ構築の具体的なステップや事例)をホワイトペーパー化、オンラインで公開予定

社会的意義
本プロジェクトによって開発された手法・ナレッジは、特定の業界に限らず、新規事業やサービス開発を必要とする幅広い企業・組織が活用できるようになると期待しています。
とりわけ、エンジニアやデザイナーでないビジネスパーソンがAIの力を借りることで、これまでにないスピードでアイデアを具体化し、社内外を巻き込みながら仮説検証を重ねることが可能となります。その結果、新規事業の失敗コスト低減やイノベーション創出の加速が見込まれます。

今後の展望
研究の過程で得られた知見は、ワークショップ形式などでも展開予定です。両社は共同で広報窓口を設け、各種問い合わせや取材対応、今後の研究成果の共有を積極的に行います。研究・開発の詳細や進捗は、順次公開する記事やホワイトペーパーをご覧ください。

問い合わせ先
株式会社LIFULL / S&D Prototyping株式会社 共同広報窓口
E-mail: ○○○@○○○.co.jp / Tel: ○○-○○○○-○○○○
※本リリースに関する最新情報は、両社の公式ウェブサイトやSNSアカウントでもお知らせしていく予定です。

 このように、テンプレートに沿ってプロンプトを構成することで、プレスリリースのプロトタイプを高速に複数つくることが可能です。

次のページ
形にすることで認識のずれを可視化し、巻き込み力を高める

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この記事の著者

三冨 敬太(ミトミ ケイタ)

プロトタイピング専門会社S&D Prototyping株式会社代表取締役、株式会社bridgeプロトタイピングディレクター。 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科卒業、後期博士課程在学中(専門はプロトタイピング)。 ヒューマンインターフェース学会 ユーザエクスペリエンス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3601 2025/08/05 11:00

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