伝えたい目的に合わせたグラフの選び方
続いては、目的に合わせたグラフの選び方のポイントについて、代表的なグラフ例を示しながら解説が行われた。
へだたりを見せる
固定の基準点からの変化を強調する。基準点を0として、どう減っているのか増えているのかを分かりやすく見せることが重要。男女比などを見せる際には、対称棒グラフがおすすめとのこと。
相関関係を表す
散布図やバブルチャートなどがよく使われる。ポイントは、位置関係が分かりやすい2次元グラフでまとめること。3次元になると位置関係が分かりにくくなってしまうからだ。
ランキング
順位や位置がデータの数値より重要な場合に使われる。視点誘導に合わせたグラフ選びがポイント。例えば、画面上でグラフを見せる際は、上から下へ視点が動くため、縦の視点誘導となる横の棒グラフがおすすめ。紙媒体の場合は縦長のグラフの方が良い場合もある。
分布をみる
全体の中でどのぐらい分布があるのかを見せるために使われる。以下のスライド内容の他に、線状の散布図(ドット・ストリップ・プロット)、バーコード・プロット、ドット・プロット、累積曲線、度数折れ線図などのグラフもある。
時系列変化を表す
時系列変化を表すグラフは折れ線グラフが使いやすい。時期の連続性の見せ方や伝えたい部分の色を変えるなど、目的に合わせて工夫することでより伝わりやすくなる。
量を比較する
基本的に棒グラフが使われるが、細かい数値が不要な際は、マリメッコを使うことも多い。リッチな表現をしたい場合は、アイソタイプを使うこともある。
割合や構成要素を見る
全体を見ていくことが多いため、ツリーマップが使いやすい。使い道は限られるが、ボロノイ図は全体感を得ることができる特徴的なグラフが使われることもある。
地図を使った表現
所在地や、地理的な傾向が重要な場合に使われる。
流れ図
ユーザー行動の移動などを表す際に使われる。
目的に適したグラフを選ぶ
このようにデータを表すグラフはたくさんの種類がある。だが、適切でないグラフを選んでしまったり、誇張表現をしてしまったりなど、読み解きにくい情報を提示してしまうこともあると、駒宮氏は警鐘を鳴らす。例えば、3Dにすることで伸び率が分かりにくくなってしまうグラフ表現だ。
「より分かりやすく情報を識別できるように、伝えたい情報を正確に表現できるグラフを選ぶ視点が大切です」
年度比較や推移を伝えたい場合、円グラフを2つ並べるだけでは伝わりにくい。その場合は、棒グラフを使い、視線移動で比較しやすいグラフをデザインすることが適切だと、駒宮氏は語る。