グラフの情報量をデザインする
データビジュアライゼーションでは、グラフの情報量をデザインする必要性がある。情報量が多すぎて、何からみていけばいいか分からないといったことがあるからだ。
「人間が一度に処理できる情報量には限界があるため、情報伝達の効率性が重要です。そのためには相手に伝わりやすいデザインにすることが必要になります」
そこで大事な概念が「シグナル」と「ノイズ」である。データが持つ元来の意味が、より相手にとって伝わりやすくなる効果を「シグナル」。データが持つ元来の意味でないものが相手に伝わってしまう効果を「ノイズ」という。シグナルを最大化し、ノイズを最小化することが重要となってくる。
シグナルとノイズについてより理解するために、データビジュアライゼーションの権威的存在であるエドワード・タフテ氏が提唱する「データインクレシオ」という概念が紹介された。例えば、以下のスライドで説明すると、「データインク」とはデータそのものを表す部分(棒グラフの棒の部分)、「ノン・データインク」とはデータ以外のグラフの枠線や軸の補助線を表す。
「データインクレシオ」とはデータインクとノンデータインクの比率のことである。余計な装飾を削ぎ落としてシンプルにすればノイズが減り、シグナルが高まる。データビジュアライゼーションとして良いデザインとなる基本的な考えである。
余計な装飾が行われ、データインクレシオが低くなってしまったグラフが以下である。逆に良い例は、余計な装飾が削ぎ落とされ、シンプルなデザインにすることで、データインクレシオが高くなっている。
セッションではデータビジュアライゼーションにおいて重要な視覚属性とアイコン、属性の強さなどが以下のように紹介されたので、ぜひ参考にしてほしい。
最後に駒宮氏は、「データ活用のスキルは、今やエンジニア・サイエンティストだけの領域ではない。ビジネス職種の営業提案や企画担当者、デザイナー・クリエイティブ担当などもデータを理解し、活用していくことが求められていくだろう」と語り、一緒に、データ×クリエイティブを盛り上げていこうと訴え、セッションをまとめた。