メール配信サービス「Benchmark Email(ベンチマークイーメール)」を提供しているベンチマークジャパンは、プライベート用メールアドレス、仕事用メールアドレスそれぞれのメールマガジン(メルマガ)購読状況を調査し、調査結果を10月4日に発表した。
同社では、昨年から「メールマガジンがどのように読まれているのか?」について、国内のインターネットユーザーを対象に調査を行っている。今回の2022年度調査でも、昨年同様にプライベート用メールアドレス、仕事用メールアドレス、それぞれのメルマガ購読状況を調査した。今回は、新たにSNSサービスの利用状況についての設問を追加している。
同調査は、メルマガ購読状況についての現状を把握し、メール配信の企画・実務に携わる人に役立つ情報を提供することを目的として行われた(調査期間:2022年7月26日~8月7日)。また、仕事用とプライベート用のメールアドレスそれぞれの購読状況を比較するため、調査対象者を20~60代の会社員、公務員、自営業を含めた経営者(回答者の年齢分布は国勢調査の人口比率に対応)とした。
- (事前調査)メルマガを1通以上受信している人はどれくらいの割合か?
事前調査では、4354人に対して聞いた「プライベートと仕事用のメールアドレスいずれかでメルマガを最低1通以上受信しているかどうか?」について聞き、以下の回答を得た。
昨年(2021年)の同設問の結果は74.9%だったため、今年は全年代合計で1.9%低下したことになる。情報収集チャネルとして、年代が上になるほどメルマガになじみがあるのに対し、若い年代ではメルマガだけでなくSNSなどに分散していることが年代間の違いに影響していると考えられる。情報収集のチャネルは、メルマガの重要性は維持されつつも若い年代を中心に少しずつSNSにも分散し、今後も当面併用されていく状況が続いていくものと見込まれる。
ここからは、最低1通以上のメルマガを受信していると回答した人を対象に、仕事用・プライベート用、それぞれのメールアドレスでのメルマガ購読状況についてまとめた(有効回答数858人)。
- メルマガを読む時間帯はいつか?
メルマガを読む時間を、いくつかの時間帯に区切って質問した。
仕事用アドレスでは、1位が「12時~15時台(28.0%)」、2位が「~9時台(19.5%)」、3位が「10時~11時台(14.3%)」と、昨年と順位もその比率もあまり変わらない結果となった。仕事用アドレスは業務に関する連絡を目的としているため、朝から午後にかけての時間帯が中心になるのは自然なことと考えられる。昨年と比べると、夜間にメールを見る人が数%減り、その分だけ日中に見る人が数%増えた。
プライベート用アドレスについては、1位は「21時~23時台(27.0%)」、2位は「12時~15時台(22.4%)」、3位は「19時~20時台(16.7%)」という結果となった。昨年と比べて1位は変わらないものの、2位と3位が入れ替わった。仕事用アドレスと同様、夜間のメール閲覧比率が減り、その分だけ日中の閲覧が増える傾向が見られた。
昨年と今年で日本人のライフスタイルに極端な変化があったとは考えられないが、昨年度の調査時(2021年春)はコロナ禍による影響が今年よりも強くあったことが影響していると考えられる。
- メルマガ購読に利用されているメールソフトはどれか?
どのようなメールソフト(メールクライアント、アプリケーション)を利用してメルマガを閲覧しているのか、仕事用アドレス、プライベート用アドレスそれぞれについて調査した。
1位はともに「Gmail」で、仕事用アドレスで63.4%(昨年比+6.2%)、プライベート用アドレスで65.9%(昨年比+9.0%)と、昨年からさらにシェアを伸ばしていることがわかる。
2位は、仕事用アドレスでは「Outlook」で49.7%(昨年比+3.5%)、プライベート用アドレスでは「Yahoo!メール」で52.7%(昨年比+1.9%)と、それぞれ昨年よりシェアを伸ばしている。
4位は「Thunderbird」だが、仕事用アドレスでは12.7%(昨年比-0.9%)、プライベート用アドレスでは10.7%(昨年比-1.4%)と、昨年比でシェアを落としており、「その他」の回答も数%ずつ落ちていることから、「Gmail」「Outlook」「Yahoo!メール」3つのメールソフトに利用者が集中していく傾向にあることがわかった。
- スマホとPC、どちらのデバイスで読まれているか?
続いて、スマホとPC、どちらのデバイスでメルマガが読まれているのかについて調査した。
回答として一番多かったのは、仕事用アドレスでは「両方だがPCが多い(33.4%)」、プライベート用アドレスでは「両方だがスマホが多い(36.0%)」となった。
今回の調査で明らかに増加したのは、スマホでのメルマガ閲覧だった。「スマホのみ」「両方だがスマホが多い」を合わせると、仕事用アドレスで41.6%(昨年比+5.0%)、プライベート用アドレスで55.5%(昨年比+6.2%)がスマホでメルマガを読んでいる結果となり、昨年から大きく増加していることがわかった。
- メルマガ、LINE、SNSなどで会社やお店に関する情報を見るか?
オンラインの情報収集チャネル、特に「会社やお店に関する情報」に関して、メルマガに加えてどのようなSNSを日常的に閲覧しているのかについて質問した(複数回答)。
まず、閲覧しているメディアについて、1位は「LINE(50.9%)」、2位は「メルマガ(45.8%)」、3位は「Twitter(40.9%)」という結果となった。それぞれ性質が異なるため単純な比較は難しいところもあるが、情報収集のチャネルがかなり分散していることがわかる。また、年齢や性別によってもその分布は大きく異なる。以下は同結果を年齢別にまとめた図(複数回答)。
若い年代ほどLINEやSNSの比率が高く、年齢が上がるにつれメルマガの比率が高くなる傾向が見られた。
- メルマガ、LINE、SNSなどでサービスの購入や施設の予約をするか?
前質問で「会社やお店に関する情報を見ることがある」と回答したメディアについて、そこからさらに商品やサービスを購入したり、お店や施設・イベントの予約をしたりするきっかけとなることがあるかどうか、についても質問した。以下の図は「よくある」「たまにある」と回答した人たちの合計。
メルマガ、LINE、SNSで会社やお店に関する情報を見る人のうち、購入・予約のきっかけになると回答した人が約8割~9割という結果となった。情報収集からサービスの購入や予約といったアクションに至るまでにさまざまなメディアが併用されている中で、情報を届ける側のマーケターにとっては、いかに効率的に複数のメディア・チャネルを管理し活用していけるかがポイントとなる。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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