大規模言語AIを独自開発する東京大学 松尾研究室発・AIスタートアップのELYZAは、マイナビと昨年5月より共同で実施していた「大規模言語AIを活用した原稿作成に関する実証実験」について、「マイナビバイト」での現場検証の結果、一部の原稿作成業務において平均30%の業務効率化に成功したことを発表した。
今回の成果は、ELYZAが独自に開発する国産の大規模言語モデル(LLM)「ELYZA Brain」を活用し、体験設計までを一気通貫して支援した結果、得られた成果となる。
成果詳細、今後期待されることは以下の通り。
- 「マイナビバイト」の求人原稿の新規作成・書き換えに言語AIを活用。
- 現場検証の結果、一部の原稿作成業務において、平均30%の業務効率化の実現に成功し、月間で約500~700時間の原稿作成工数の削減を想定。
- 言語AI導入により原稿作成の一部が業務効率化され、生み出された時間によって、これまで以上に人が原稿品質の向上や均質化にかけられる時間を創出し、採用情報の充実化が可能になる見込み。
- 原稿作成速度向上により、申し込みから掲載までの期間短縮につながり、求職者とのマッチング機会損失が低減。
実証実験に利用した「ELYZA Brain」は、日本語特化の国産LLM。精度・コスト・利用体験(出力スピードなど)・セキュリティのバランスを鑑み、今回の「マイナビバイト」の要件においては国産LLMの利用が望ましいと考えられた。
ELYZAはクライアント企業の状況や要望を総合的に鑑み、いち早く・高品質に・コスパよくDXを実現できることを第一義に据え、最適なモデル選択・学習プロセス・実装プロセス・改善プロセスを一貫して実現している。
単純なプロンプトエンジニアリングだけでは専門性が高く、高度な業務の代替、DX化の実現は難しい。LLMはあくまで1要素でしかなく、AI処理フロー・システム・ユーザー体験の設計も含めた総合企画があって初めて有益な活用が可能になる。この企画を、現場を巻き込みながらスピーディーに行い、検証を回していくことが肝要となる。
ELYZAは、要件から落としたデータ整理、初期・追加学習、AI処理フロー設計、UI/UX設計まで一気通貫して技術者をつけて伴走することで、言語AIを真に社会実装する会社をサポートしている。
2028年における業務のあり方から逆算して構想を描く場合、最先端の言語AI技術の把握・技術選定は最重要と言える。2022年末より世の中をOpenAIのChatGPTが大きく騒がせ、2023年も引き続き先端的なAIがグローバルで多くリリースされることが想定される。ELYZAは日進月歩でランドスケープが変化する言語AIの領域において、最先端技術の動向をいち早くキャッチし、自社の言語AIと先端的なグローバルモデルを組み合わせた社会実装を進めていきたいと考えている。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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