ソフトウェアの利用状況の分析・定着化の支援などを行うソリューションを提供している米Pendoは、2023会計年度の決算を3月5日(現地時間)に発表した。
同社の、2023年度におけるおもな成果としては、年間経常収益(ARR)2億ドルの達成、四半期において初のキャッシュフローのプラス、記録的な数の新プロダクトの発表、400社を超える新規顧客の獲得が挙げられる。現在、フォーチュン500企業のうち75社と、アメリカにおける時価総額上位100社の株式公開をしているソフトウェア企業の約半数が同社の顧客であり、顧客数は約1万2000社に達するという。
2023年度における同社の成長の原動力となったのは、既存顧客の拡大、新たな国際ビジネス、プラットフォームのアップグレードに紐付く3つの新製品の売上だった。また、年間契約額が10万ドルを超える顧客ベースは20%拡大し、売上額が100万ドル以上の顧客数はほぼ倍増している。2023年度下半期には、新規顧客としてRobert Bosch、Matillion、KDDIが加わった。さらに、シーメンス系列企業であるBrightlyをはじめ、Motive、JobAdder、Penn Foster Group、弥生との関係が拡大している。
あわせて2023年度には、統合型の顧客体験プラットフォーム「Pendo One」を発表した。Pendo Oneは、企業が顧客と従業員の両方にまたがるあらゆるユーザーに対して、よりよいデジタル体験を提供できるように設計されている。Pendo One上に構築された新製品としては、ユーザーがアプリケーションに対してどう反応し、操作したのかを理解するための動画再生ソリューション「Session Replay」や、Pendoから任意のクラウドストレージへの、プロダクト利用状況データのエクスポートを容易にする「Data Sync」などが含まれる。
同社がノースカロライナ州ローリーで開催した、第7回の年次イベント「Pendomonium」には、1300人ものプロダクトおよびデジタルリーダーが参加し、AI時代におけるプロダクトの役割を探った。さらに、3000人のプロダクト関係者がサンフランシスコとロンドンで開催されたMind the Productの主力イベントに参加している。Mind the ProductのミートアップイベントであるProductTankは、年間で150以上開催されプロダクトの勉強とネットワーキングを目的とした10万人を超えるプロダクト関係者が集結した。PendoとMind the Productは、AIに関する洞察、展望、ハウツーをまとめたAIナレッジハブも立ち上げており、プロダクトリーダーやアプリ開発者がAIテクノロジーを理解し活用できるよう支援している。
ほかにも、プロダクト分析、プロダクトマネジメントの基礎、プロダクトマネジメント向けのAI活用に関する、3つの認定コースを開始した。現時点で14万5000人以上がこれらのコースに登録している。独自のプロダクト主導による成長イニシアチブの一環として、「Pendo Free」にロードマップ作成機能、アプリ内でNPS(ネットプロモータースコア)調査を提供する機能を追加するとともに、ユーザーエクスペリエンスを簡素化しており、現在、Pendo Freeは約9000社のユーザーを抱える。
同社のEMEA地域での収益は、全体のARRの15%に迫っている。一方、日本での収益は前年比で約80%増となり、日本での成長を加速すべく日本のカントリーマネージャーに花尾和成氏を任命し、日本に新たなデータセンターを設置した。また、2023年度中に13の賞を受賞し、第4四半期には5年連続で「Deloitte Technology Fast 500」に選出されている。そのほか、「Triangle Business Journal」のFast 50で第3位となり、毎年開催されるノースカロライナ州NC Tech Awardsでは、Great Tech Place to Work(働きやすいテック企業)として認められた。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
「プロダクト開発」にフォーカスしたオンラインメディアです。プロダクトマネージャーや、プロダクトマネージャーを目指す方をはじめ、チームメンバーや事業責任者、テックリードなど、プロダクト開発を「正しく」進めていきたいすべての人のために、プロダクトマネジメントに関するあらゆる知見をお届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア