ローンチから4年で「医師の3人に1人が使うアプリ」へ成長
2016年創業の株式会社HOKUTOは、「より良いアウトカムを求める世界の医療従事者のために」をミッションに掲げ、「医師に愛されるプロダクトを作る」のビジョンのもと、医学生の8割が閲覧する病院クチコミサイト「HOKUTO resident」、次いで医師向け臨床支援アプリ「HOKUTO」を提供してきた。いずれも急成長中であり、HOKUTOは注目すべき医療系スタートアップとしての存在感を増している。
とりわけ「HOKUTO」は、ローンチして4年で国内の医師の3分の1にあたる10万人が登録し、さらなる普及・拡大が期待されている。閲覧ユーザーは医師を対象としているが、彼らに向けて広告を配信する製薬企業などの事業者が重要な顧客となる。それぞれに役立つ情報提供や支援を行うことがHOKUTOの提供価値であり、それによって「HOKUTO=医師が実際に臨床現場で使うプロダクト」という独自のポジションを獲得している。
プロダクト責任者である山本久智氏は、「他サービスが医療情報などのニュース性を重視したメディアであるのに対し、「HOKUTO」は患者を診る“臨床現場”で役立つことを強く意識してきた。医師によってユースケースは多岐にわたるため、個々のニーズに合わせた体験設計が大きな差別化ポイントとなっている」と語る。
山本久智(やまもと・ひさとも)氏
株式会社HOKUTO 取締役/プロダクト開発責任者
東京大学大学院在学中、創業時のメルカリにインターンとして入社。1年間Androidエンジニアとして勤務した後、プロデューサーとして正式入社。WEB版の立ち上げ、らくらくメルカリ便の立ち上げを行った後、2016年2月に最年少でマネージャーに就任。ペイメント事業立ち上げメンバーとしてメルペイに携わる。
2021年1月に株式会社HOKUTO参画。現在は、プロダクトグループ、コーポレートグループを統括。
医療分野の情報は膨大であり、忙しい中でキャッチアップするのは難しい。また、臨床現場で情報元として活用されるには、速やかに欲しい情報にたどり着けることが求められる。
これらの、医療情報のインプットとアウトプットの両面について考えながらUXを磨き上げ、最適化を図ったことで、「現場で使えるアプリ」の価値を高めていった。また、ユーザー数の増加に伴いマーケティングプラットフォームとしての価値も高まり、現在は国内売上高トップ15ファーマの8割がデジタルマーケティング支援を導入するなど、事業的な成功も収めつつある。