LT4:「納得感のある意思決定体制を整え、チーム総意でのプロダクトグロース」
- 発表者:田中祥一氏(コインチェック株式会社 プロダクトマネージャー)
最後に登壇したのは、コインチェックの田中祥一氏です。プロダクトを推進する中で、スピードと納得感の両立を目指して構築したチームの意思決定体制とその効果について紹介しました。
プロダクトマネージャーが「最終決定権」を持つ意味
急きょ立ち上がったスクラム体制の中で、田中氏が最初に着手したのは「決定権の所在を明確にすること」。施策ごとに意見を出し合える文化をつくりつつ、最終的な意思決定はプロダクトマネージャーが担う、というルールを設けました。
この体制によって、「納得はしていないがチームの総意として従う」という文化が醸成されました。これが結果として、チームのスピード感と方向性の一致を生んでいます。

「正しさ」より「信頼できるかどうか」
田中氏は最後に、「最終的にチームが従うのは『正しさ』より『信頼感』」と語りました。言葉にせずとも態度などに表れる自信や、ユーザーに対する深い理解、チームへの敬意。それらをもって意思決定にあたることが、結果としてチームの結束とアウトカムの最大化につながります。
意思決定における「正しさ」よりも、信頼できる人が決めたかどうかが、チームの納得感と実行力を支えるといいます。

総括
田中氏のセッションは、形式やプロセスよりも「信頼のある人による決断」がチームを前進させるという、現場感に満ちた知見でした。ツールやスコアより前に、どれだけ対話し、チームで信頼関係を築けているか。それが意思決定を進める本当の基盤になると再認識させられました。
まとめ
今回のLTイベントを通じて明らかになったのは、施策優先度の意思決定に「唯一解は存在しない」ということです。組織規模や事業フェーズ、文化に応じて最適な方法は変わるが、共通していたのは以下の3点でした。
- 意思決定の基準を「明文化」すること
- チームで「認識を揃える」仕組みをつくること
- 「正しさ」より「納得感と信頼」を土台にすること
今後もPM Hubでは、現場の知恵や試行錯誤を共有しながら、プロダクトマネージャーたちが学び合える場をつくっていきます。