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ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

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ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート

アウトカムを最大化せよ──施策優先度の意思決定に挑んだ4人の実践知

ファインディのコミュニティイベント「PM Hub」レポート 第8回

LT2:「ICE/RICE/DRICEで成果を引き出す──フレームワークの実践と罠」

  • 発表者:ウルフ松陰氏(松下村塾株式会社 代表取締役 CEO)

 2人目の登壇者は、松下村塾株式会社の代表を務めるウルフ松陰氏です。施策評価に用いられるスコアリング手法の代表格であるICE、RICE、DRICEについて、自身の見解を交えながら実務的な活用方法を解説しました。

推奨は「ICE一択」──シンプルで再現性の高い手法

 ウルフ氏が主張したのは、「フレームワークをあれこれ取り替えるより、ICEを正しく使うことが重要」という点です。

  • Impact × Confidence × Easeというシンプルな3軸構成で、属人的な判断を排除しやすい
  • 定量化の際は0〜10点ではなく、Tシャツサイズ(XS〜XL)に変換することで直感的に扱える
  • スコアごとの意味合いをチームで定義しておくことで、判断基準がぶれにくくなる

 特に「Confidence(確信度)」はあいまいになりやすいため、裏付けのある定義づけと共通理解が重要だといいます。

DRICEやRICEは不要?──「プロダクトマネージャーの意思決定とは何か」

 最近注目されているRICE(Reachを追加)やDRICE(Decision要素の強化)についても触れつつ、ウルフ氏は次のように言います。

 「リーチはインパクトに含めればいいし、DRICEで言う『再評価』は提案前に済ませておくべき話」

 つまり、スコアリングとはあくまで「施策の目利き」であり、プロダクトマネージャー(PdM)としての意思決定はデータ分析やABテストを踏まえて自ら下すべきものだと語りました。

総括

 ウルフ氏の登壇は、優先度フレームワークの「形式だけの運用」に一石を投じる内容でした。ICEスコアは、丁寧に定義づけて使えば、現場に最適化された「議論の共通言語」となります。小手先の手法ではなく、「運用の精度」を高めることこそが成果への近道であると感じさせられました。

次のページ
LT3:「高成長期から成熟期の優先度の決め方」

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この記事の著者

ファインディ株式会社 プロダクトマネジメント室(ファインディカブシキガイシャ)

プロダクトマネージャー向けのイベントを開催しているコミュニティです。各社のプロダクトマネジメントに関する取り組み事例や成功事例をLTやパネルディスカッションを通じて共有し、またプロダクトマネージャー同士の懇親の場を設け、それぞれが取り組んでいる課題やベストプラクティスについて話し合い、社内に閉じがち...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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