New Relicは、同社の提供しているオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」の活用によって、TimeTreeが自社の運営するカレンダーシェアアプリ「TimeTree」のサービス品質向上などの成果を上げたことを、8月18日に発表した。
TimeTreeは、予定の作成、共有、コミュニケーションという機能性を、多くの人が抱いている「誰かを誘いたい」「誘われて嬉しい」という体験に結びつけることによって、世界中で大きな支持を集めており、ユーザー数は世界で6500万、2015年3月のサービス開始以来、作成された予定は120億件超(2025年5月時点)に達している。
TimeTreeは2022年のNew Relic導入当初、SREチームを中心にオブザーバビリティの活用を推進し、データベースのパフォーマンスチューニングを最適化してコンテナ数の削減に寄与するなど、大きな効果を上げてきた。2024年10月には導入範囲を拡大し、全社で40名を超えるエンジニア全員がNew Relicのフル機能を活用できる環境を整備している。
2024年10月の導入範囲拡大時、同社はNew Relicの利用ライセンスを従来の「ユーザーライセンス」から、「Compute Capacity Unit(CCU)ライセンス」に切り替えた。それまでのユーザーライセンスでは、データ取り込み量と利用人数に応じて課金されていたが、CCUライセンスではデータ取り込み量とNew Relicで処理した各アクション(ページのロード、クエリの実行、アラート、APIコールの呼び出しなど)に対して課金され、利用人数の制限はなくなっている。
CCUライセンスの採用にともない、New Relicが「全社共通で使えるツール」になったことによって、同社ではエンジニア全員がプロダクトの品質やユーザー体験の向上に取り組む体制が強化された。それまでは、バックエンドエンジニアから要請を受けたSREが中心となって問題解決を進めてきたが、現在ではNew Relicが示す観測データを関係者が同時に見つつ、不具合の原因を探ることが可能になっている。
目の前の問題の早期解決と潜在的な問題の予防保守ができるようになり、アプリケーション開発チームは機能開発や改善に力を注げるため、生産性の向上が実現した。あわせて、アプリケーション開発段階からのNew Relic活用も進んでいるので、本番リリース前にパフォーマンスを評価して事前に不具合を解消するといった手順も定着化するなど、TimeTreeユーザーへの価値提供サイクルの短縮化につながっているという。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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