LT2:「新規事業におけるAIリサーチの活用例〜新規事業の企画・検証が加速していく〜」
- 発表者:冉蘭驪氏(株式会社Polyscape 事業責任者)

株式会社Polyscapeで事業責任者を務める冉氏は、新規事業の企画・検証においてAIを活用したリサーチ手法を4つの事例で紹介しました。AIによって新規事業の企画・検証の速度と精度が大幅に向上し、高速なPDCAサイクルが実現できていると語りました。
ビジネスモデルキャンバス整理における生成AI活用
冉氏は新規事業のPMが初期段階で検討すべき観点として、ビジネスモデルキャンバスを挙げました。特に「市場は魅力的か」「ソリューションは魅力的か」という2つの問いに答えるため、AIを活用したリサーチ手法を実践しています。

1.市場規模調査の効率化
従来は数週間かかっていた市場規模や成長率、IR情報の収集が、プロンプト1つで精緻な情報を取得できるようになり、資料作りの速度が圧倒的に向上しました。
2.競合分析の深化
ポジショニングマップ作成時に、従来のGoogle検索では限られたキーワードでしか競合が見つからなかった課題を、ChatGPTなどのAIを活用した「壁打ち相手」として活用することで、より包括的な競合分析が可能になりました。
3.競合の価格・機能分析
競合の利用規模、導入実績、価格、料金、機能の洗い出しをAIで自動化し、価格設定や開発ロードマップの策定に活用。特にB2Bプロダクトでは「競合がいくらでどの程度の機能を提供しており、自社の差別化ポイントはどこか」といった情報を整理し、自社の価格設定と開発期間の算出に活用しています。
4.ソリューションリサーチ
従来の「概念ベースで聞く」リサーチでは「導入します」と答えるが実際には導入されないという課題に対し、AI駆動開発の概念を活用した「実際動くもの」での検証を提案。要件定義段階で実際に動くモックを提供することで、ユーザー需要度リサーチの精度向上を実現しています。
総括:AIで加速する実践知の深化
冉氏は、AI活用により「世の中に出ているファクトにおおよそたどり着くことが可能」になった一方で、人間の価値は「繰り返したことによって、その先に得た実践知」にあると語りました。AIが出してくるのは普遍的なものに限られるため、PMの価値は「快速にPDCAを回すことによって、事業のピボットや軌道修正、さらにグロースをかけていく」ことにあると総括しています。


 
              
               
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                              
                               
                  
                   
                      
                       
                      
                       
     
     
     
     
    