GitHubは、開発者カンファレンス「GitHub Universe 2025」において、AI開発の次なる進化に向けた新構想「Agent HQ」を発表した。

「Agent HQ」は、多様なAIエージェントを「GitHub」プラットフォームにネイティブに統合し、単一のワークフローで管理できるオープンエコシステム。Anthropic、OpenAI、Google、Cognition、xAIなどのコーディングエージェントが、「GitHub Copilot」サブスクリプションの一部として「GitHub」内で直接利用できる。
プロダクトマネージャーや事業責任者、開発リーダーが直面する「AI開発のマネジメント」という課題に対し「開発プロセスの可視化」「ガバナンス強化」「効果測定」といった3つの価値を提供する。
「Agent HQ」の中核機能として「ミッションコントロール」が発表された。同機能は、複数のAIエージェントの作業を割り当てて指示し追跡する統合コマンドセンターで、どこからでもAIタスクを指示・監視できる司令塔の役割を果たす。「GitHub」や「VS Code」のほか、モバイルデバイスからでもエージェントの進捗をリアルタイムで監視できる。

ソースコードエディタ「VS Code」には「Planモード」が新たに搭載される。「GitHub Copilot」と連携することで、開発過程で「GitHub Copilot」が開発者に対し質問を投げかけ、タスクの段階的なアプローチ(計画)を可能にする。これにより、プロセスの早い段階で要件のギャップやプロジェクトの欠陥を発見しやすくなり、プロダクトマネージャーが関わる仕様策定や要件定義の精度向上が期待される。
さらに細かい制御を行うために、VS Codeで「AGENTS.md」を使ってカスタムエージェントを作成できる。同機能は、明確なルールとガードレールを設定できるもの。これにより、毎回プロンプトを再入力することなく「GitHub Copilot」の動作を制御できる。
AIによる開発スピードが向上する一方で、コード品質の低下や長期的な技術的負債につながる懸念がある。GitHubは今回、AIが生成したコードの品質を担保するための新機能「GitHub Code Quality」も発表した。同機能は、組織全体のリポジトリにおけるコードの「保守性」「信頼性」「テストカバレッジ」を体系的に可視化し、向上させるための機能。これにより「GitHub Copilot」のセキュリティチェックが拡張され、変更されたコードの保守性と信頼性への影響を分析できる。さらに、コードレビューステップを追加。「GitHub Copilot」コーディング エージェントのワークフローに組み込むことで「GitHub Copilot」がレビューを行う。
また、AIアクセスを管理するエンタープライズ管理者向けには、企業全体でAI利用を統制するための「コントロールプレーン」も提供。これにより、組織内で使用するAIエージェントの制御、セキュリティポリシーの設定、監査ログの管理などを一元的に行える。

組織では「GitHub Copilot」がどのように利用されているかを把握する必要がある。そこで今回、「GitHub Copilotメトリクスダッシュボード」を公開プレビューとしてリリースした。同機能では、組織全体で「GitHub Copilot」がどのように利用され、どのような影響を与えているかを「重要な使用状況メトリック」として表示する。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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