LT2:「secret ai ~君がくれたもの~」
- 発表者:髙原豪介氏(ユアスタンド株式会社 プロダクトマネージャー)

AIワークショップから始まった変革
ユアスタンド株式会社では、CTOが主導した全社のAIワークショップが変革のきっかけとなりました。このワークショップは「人間がやらなくても良い仕事を見つける」ことが目的でしたが、本質的には「人間にしかできない仕事とは何か」を問いかけるものでした。
髙原氏は「AIは人間の仕事を奪うのか?」という問いに対して「分かりません。でも僕の仕事はもっと奪ってくれ!」と語り、AIがもたらす変化を前向きに捉えています。
AIが奪った3つの「作業」

1.プログラマ的な業務の自動化
手作業や画面操作によるデータ投入作業、BIツールへのデータ投入、SQLの作成、BCCメールの一斉送信など、これまで「気合いと根性や愛と勇気で乗り切っていた」定型的業務が、CodexやGeminiによって完全に自動化されました。
AIは「手となり」、人間は「もっと考える時間を得た」と髙原氏は語ります。
2.リサーチ業務の効率化
従来は「ググってググって終わらない」状況でしたが、生成AIの登場により、依頼すれば数分でまとめてくれるようになりました。ファクトをベースとした情報調査、分析、まとめ、フィージビリティの確認、事業戦略の検討まで、AIが担当。
人間は「上司となってそれらをチェックするだけでよい」状況となり、AIは「耳となり」、人間は「もっとユーザーと話す時間を得た」と述べています。
3.プロトタイプ開発の民主化
アイデアはあるが開発リソースがない状況で、以前は「エナジードリンクを持ってエンジニアを訪ねる」必要がありました。しかし現在は、営業本部長などのビジネスサイドの方々が、Bolt、Lovable、Google AI Studioなどのツールを使って自分でプロトタイプを作成するようになりました。
「もうエナジードリンクは差し入れできなくなりました。干からびたエンジニアだけが残りました」という表現で、業務の変化をユーモラスに表現しています。
AIが与えた「仕事」
髙原氏は重要な気づきを語ります。
「AIが奪ったのは仕事ではなかった。AIは作業を奪い、僕たちには仕事をくれた」
AIが自動化したのは「定型的な業務」や「情緒的な価値が付随しない業務」であり、その結果として「生産性」という言葉が待っています。限られたリソースの中でこそ創意工夫が生まれ、AI活用によりより価値の高い仕事に集中できるようになったのです。
総括:作業と仕事の区別

髙原氏の発表は、AIがもたらす変化の本質を「作業を奪い、仕事を与える」という視点で整理した内容でした。定型的業務の自動化により、人間はより創造的で価値の高い仕事に集中できるようになるという、AI活用の理想的な姿を示していました。
「最高の仕事を始めましょう」というメッセージは、AI時代における働き方の指針として、多くの参加者に響いたことでしょう。

 
              
               
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                          
                           
                              
                               
                  
                   
                      
                       
                      
                       
     
     
     
     
    