電通は、1億人規模の高解像度なペルソナを仮想再現したAIモデル「People Model」を搭載したリサーチツール「People Research」を開発し、同社内での本格運用を11月12日に開始した。
People Modelは生活者のインサイトを可視化するモデルであり、多方面で高く評価され利用ニーズが高まっていたものの、これまでは限られた環境下で一部の担当者のみが活用可能であった。そこで、ニーズの高まりに応えるべく、同社の多くの社員がPeople Modelを活用して調査・分析が可能になる環境を整備することを目的に、People Researchが開発された。
People Researchは、任意の質問を設定してその回答結果に基づいて、より詳細に分析したいセグメントを抽出できるアスキング調査機能を備える。従来のFA(単一回答)やSA(自由記述回答)に加えて、MA(複数回答)形式の設問にも対応した。MA形式では複数の選択肢の中から該当するものを複数選べるため、より柔軟で実態に即した調査設計が可能となり、生活者の多面的な価値観や行動をより正確に捉えられる。
あわせて、AIで再現した想定顧客ペルソナにインタビューできるツール「AIQQQ TALK(アイキュートーク)」と連携し、自動的にペルソナ情報を抽出。さらに、そのセグメントの代表者に対して1対1のインタビューを行い、生活者の深層心理や行動背景を深く探ることを可能にするデプスインタビュー機能も搭載。従来は数日間かかっていたインタビューまでの時間を、数分から数時間に短縮できる。
今回のPeople Researchの本格運用開始によって、これまでの調査では捉えることが難しかったニッチな層や新しい価値観を持つ生活者クラスターに対する柔軟な調査設計も可能になり、クライアントのターゲットに即した深掘りができるようになった。
「なぜその回答になったのか」という背景要因の抽出も可能なため、単なる数値結果に留まらない生活者の意思決定プロセスまでを把握できる。
この記事は参考になりましたか?
- ProductZineニュース連載記事一覧
-
- AIデプスインタビューを数分で。電通、1億人ペルソナAI搭載「People Researc...
- LIFULLのPM登壇。AI活用で「エンジニアがPM視点を学ぶ」勉強会、WAKE Care...
- 及川卓也氏、横道稔氏ら登壇。「2026年に求められるPM像」を議論、12月19日開催
- この記事の著者
-
ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
「プロダクト開発」にフォーカスしたオンラインメディアです。プロダクトマネージャーや、プロダクトマネージャーを目指す方をはじめ、チームメンバーや事業責任者、テックリードなど、プロダクト開発を「正しく」進めていきたいすべての人のために、プロダクトマネジメントに関するあらゆる知見をお届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
