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Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

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特集記事

AIコモディティ化時代の生存戦略:プロダクトを自ら壊し、「AIを核」に再定義せよ

実現するためのプロダクト組織体制へのシフト

 こうした多くの取り組みを並行して実行するために、少人数チームによる複数運用体制へ早期にシフトする必要があります。AIを開発プロセスに組み込むことでこの体制は初めて成立しますが、成果を待ってから組織を組み替えるのではなく、「組み替えた後で成果を出す」というマインドセットが鍵です。

 この考えに基づき、私たちは昨年思い切った体制変更を実施しました。それまでの3チーム体制を7チームに再編し、3チームが既存プロダクトの開発を担い、残る4チームがそれぞれ重点シナリオに集中する構成としています。例えば、既存競合シナリオに対してはAIを活用した抜本的な運用コストの低減に取り組み、プラットフォーマーの地殻変動に対してはブラウザエージェントとエージェントプラットフォームという2つの異なるアプローチで開発を並行して走らせています。

 しかし、チーム体制の変更だけでは不十分です。AIが開発や情報処理を高速化すると、管理者が捌くべき論点——つまり意思決定の回数——は急増します。意思決定者が迅速に判断を下せる環境がなければ、チームをいくら増やしても組織全体がボトルネックに陥ります。情報の上げ方、会議体、意思決定プロセスといった「業務OS」そのものを抜本的に作り変える必要があり、ここは非常にレバレッジが効く領域だと考えています。

 なかでも私たちが今、特に注力しているのが「意思決定の質を支える数字の取り方」の再設計です。これまでは、ちょっとした分析をするにも工数がかかるため、本来取りたかった数字が「コスト的に見合わない」という理由で先送りされたり、そもそも取得自体が諦められたりしていました。意思決定の多くが、限られた数字と勘で行われていたわけです。

 AIの活用によって、この前提が大きく変わりました。これまで手をつけられなかった粒度・頻度のデータをAIが効率的に収集・分析できるようになり、各チームが「判断に必要な数字を、必要なタイミングで」手にできる状態に近づいています。経営層への報告のためではなく、現場のチームが自ら意思決定の質を高められるようにすることが目的です。

 冒頭の問いに戻れば、私たちの答えは明確です。AIに飲み込まれるのはプロダクトの形態ではなく、変化を前提とした動き方ができない組織です。シナリオを描き、センサーを張り、組織ごと動ける体制を作る——この一連のプロセスを自社に実装できるかどうかが、AI時代のプロダクト組織の分岐点になると考えています。

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この記事の著者

日比野 淳(テックタッチ株式会社)(ヒビノ ジュン)

テックタッチ株式会社 取締役CTO ファンコミュニケーションズ、ユナイテッドでCRMの開発、広告ネットワーク構築、大規模toCアプリの立ち上げからグロースを経験。その後、米国に赴任し現地スタートアップと協業しモバイルランチャーアプリの立ち上げに従事。2018年3月に代表取締役の井無田とテックタ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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