より良いデジタルエクスペリエンスの構築が企業にとって重要に
2021年4月、CRM企業のZendeskが世界の9万社の企業のデータを調査したところ、75%の企業が「コロナ禍がデジタル移行を加速させた」という意見に同意しました。ほとんどの企業は、未来がデジタルを中心とした世界になることを想定しており、未来に向けたビジネス戦略構築が必要となっていることが分かります。
デジタルエクスペリエンスは、変革の柱となります。デジタルエクスペリエンスとは、アプリやWebを通じて、お客さまが商品やサービスを見たり、購入したり、問い合わせをしたりすることです。すでに当たり前のことになっていますが、より良いデジタルエクスペリエンスを構築していくことが、今後企業にとって重要になってきます。Webサイトやアプリにおいて、顧客がどのような行動をしているか、深く理解する必要があります。このような洞察を得るためには、綿密なプロダクト分析戦略が重要です。
プロダクトに関する適切な質問を設定する
まずは、Webサイトやアプリ上での顧客の行動について、どのようなことを把握しておきたいか、考えることから始めましょう。
どのサイトが自分たちのサイトにトラフィックを送り込んでいるのか、ユーザーがサイトでどのくらいの時間を過ごしているか、といった項目は、以前から重要なデータとして分析されてきました。特にアプリの場合には、どのチャネルやキャンペーンがアプリの新規ダウンロードにつながったのかということに注目することが多いでしょう。確かに、これらは有用なデータです。しかし、これからの時代にユーザーの行動を深く洞察するには、まだ足りません。例えば、次のような質問にすぐ答えられるでしょうか。
- なぜユーザーは離脱するのか? ユーザーの一部のグループが、他のグループよりも多く離脱しているという状況は起きているか?
- ユーザーがWebサイトやアプリから価値を見いだすのに、どのくらいの時間がかかるのか?
- ユーザーはどのような経路で、価値のある体験をするところまでたどり着いているのか?
- ヘビーユーザーは誰か? ヘビーユーザーは他のユーザー層とどう違うのか?
- 新機能の導入により、ユーザーの行動は意図した通りに変化しているか?
どのような質問やインサイトが、より良いデジタルエクスペリエンスを生み出すのに役立つのかが分かれば、どのようなデータを収集すべきか、どのようなテクノロジーやツールを利用すべきか、意思決定プロセスはどうあるべきか、などを見直すことができます。