はじめに──「信頼される1人目PM」になるために
「1人目プロダクトマネージャー(以降、PM)」として入社してしばらく経つと、次に直面する壁が「チームとの関係性」です。
- 「自分は何者として見られているのか?」
- 「どうやったら信頼され、動きやすくなるのか?」
- 「話したことが伝わらない/反応が薄いのはなぜか?」
これは多くの1人目PMが経験する「あるある」です。特に、スタートアップや小規模チームでは、PMという職種自体がなじみのない存在であることが多く、役割があいまいなまま放置されがちです。
今回は、「どうすれば1人目PMとしてチームに受け入れられ、成果を出し、意思決定者としての存在感を確立できるのか?」を、ステップバイステップで整理していきます。
先に進む前に、まずは第1回~第3回をぜひご覧ください。本連載では、第1回で「1人目PMとは何者か」「経営視点と共感力の重要性」を定義し、第2回で「社長とのシンクロとビジョンの言語化」「初期にすべきこと」について整理しました。また、第3回では「戦略の設計とロードマップ化による方向性の明確化」を扱いました。
これらの基礎理解があってこそ、第4回(今回)で語る「チームとの協働」戦略が生きてきます。まずはリンクをたどって、心身ともに「PMモード」に整えてからお読みいただけると、学びがぐっと深まります。
4.1 協働の鍵は「成果を残すこと」と「感謝を勝ち取ること」
スタートアップでは、スキルや肩書よりも「この人と一緒に仕事がしたい」と思わせるかどうかが最も重要です。特に初期は「権限なきリーダー」として立場があいまいなケースもありえます。この段階では、「実績」と「感謝」の蓄積が信頼に直結します。
初期は誰もあなたを信用してくれません。過去の経歴や称号も、あくまで参考値にすぎません。評価されるのは、「このチームに来て、どんな成果をあげたか?」だけです。
これはどれだけ働いたか、どれだけコミュニケーションを取ったかというアウトプットの量ではありません。PMの仕事は成果がすべてです。どれだけ手を抜いても、時間をかけても、それが成果に直結していれば評価されます。残酷ですが、それがすべてです。
そして、新しくジョインしたPMがどれだけ優秀でも、チームからは無意識のうちに「値踏み」される のが現実。このような少しプレッシャーのかかる状況下で成果を残すことがこの先の活動のすべてに直結します。