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BtoB事業のPMが語る、奮闘のプロダクトマネジメント――開発優先度の決め方、嫌われプロダクトを任されたら?

「Product Management Night Tokyo」レポート後編

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2020/12/11 11:00

 freeeが9月にオンライン開催したプロダクトマネジメントに特化したイベント「Product Management Night Tokyo hosted by freee」のレポート、後編はSansanのCPO 大津裕史氏、スマートニュース Director of Product 小越崇広氏、metroly CEO兼CPO ケン ワカマツ氏のセッションの様子を紹介する。

目次

優先度付けをスムーズにすることでリリース量を4倍増――Sansan大津氏

 SansanでCPOを務める大津氏は、自身が中心となって1年前に導入した、プロダクト開発の優先度付けをスムーズにするための取り組みについて話した。導入前と比べて、ひと月あたりのユーザーに影響する機能のリリース数が最大4倍以上に伸びるなど、すでに成果が出ているという。

Sansan株式会社 CPO 大津裕史氏
Sansan株式会社 CPO 大津裕史氏

 Sansanでは一つのプロダクトの中に複数の機能ドメインがあり、その機能ごとにチームがある。それまでは、チーム単位でバックログとしてやりたいことのリストがあり、それをチームごとに運用していたため「Sansan全体で一本化して優先度を決めることができていなかった」と大津氏は振り返る。

 また、検討時間が長く着手までに時間がかかるうえ、何をやる・やらない、誰がどんなフローでやるといったことが具体的に決まっておらず「受け身的」だったと大津氏。これらの要因により、ユーザーに向けた機能リリース量が少なかったという。

 そこで、バックログを統一し、クォーター(3か月)サイクルで企画検討→優先度決め→開発→リリースを回すようにした。あわせて、GM(ゼネラルマネージャー)とPM(プロダクトマネージャー)というラインを作った。PMがバックログを作り、GMが優先順位を付けるといった意思決定フローを明確にした。これにより、リリース量は最大4倍に増えた。特にユーザーに影響するリリースが大きく増えたそうだ。

 大津氏はポイントとして、バックログの統一に合わせて「バジェット」として工数予算を立てていることを明かす。Webアプリケーション、モバイルアプリなどのプロダクト単位で立て、1クォーターでどれだけの開発工数を使えるのか(開発に何時間あてられるのか)をバックログとセットにする。

 バジェットのコツは、「事前に目的別に分けること」だという。次のクォーターで何を出したいのか、改善したいのかの「短期トピック」、コーポレート目線で戦略としてやること(トップダウン的な意思決定)の「中長期トピック」、たまっていく技術負債など後回しにされがちな「技術改善」、営業が新機能を試すことができる「デモアカウント関連」と分けてデザインしているという。

 Sansanではこのような優先度付けの準備として「イシューのエスティメート(見積もり)」を大切にしていると大津氏。「PMの目線からエスティメートをざっくりやった後、GMが優先度付けをするミーティングに臨む」という。

 「エスティメート」の重要さについて大津氏は、「優先度を決めるにあたって、全部が具体化されている状態でやれることはほとんどない。買い物の時に値札が付いていないものに優先順位を決められないのと同じこと。だからざっくりしたエスティメートをしっかりやれるかが大事になる。エンジニアや意思決定に関与する人が、まだ詰まっていないものに対して何時間でやると決めることは難しい」と話す。上図のように、目的別に分けておくことでスムーズになるとした。

 GMによる優先度付けについては、事前にPMとプロダクトをどうしたいのか認識のすり合わせを行い、それを踏まえてPMが提出したものを対象クォーターであるかやらないのかを判断するという。それも、「パッと見て決める」と大津氏。「あまり論理武装をするより、前の方針をもとにGMがいいと感じたものは自信を持ってやるべき。その方が周囲も納得しやすい。GMは最も視野が広いので、GMが決めることにメンバーが納得できる組織にするのが最もスムーズだと思う」と信条を明かした。


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著者プロフィール

  • 末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

    フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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