デロイト トーマツは、日本国内のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした収益(売上高)に基づく成長率のランキング「Technology Fast 50 2022 Japan」を5月18日に発表した。
今回で20回目となる2022年度の1位はビジネス向けのAI搭載型クラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」を手掛けるRevCommで、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率は486.7%。2位は店舗のWebサイトや各種SNSを一括管理し運用管理コスト削減する「カンリー」を手掛けるカンリーで成長率は357.5%。3位は石灰石が主原料の環境配慮型新素材LIMEXの開発・製造・販売と資源循環事業を行うTBMで成長率は333.7%を記録し、それぞれランクインした。
- 2022年度のランキング傾向
受賞企業50社の3決算期売上高成長率の平均値は143%(2.43倍)で、全体の半分に相当する25社が成長率100%(2倍)以上~300%(4倍)未満のゾーンに集中する結果となった。
事業領域別の構成比を見ると、最も多かったのがソフトウエアで全体の66%、2位がメディアの14%、3位が通信で10%だった。受賞企業の中にはクリーンテック、ハードウエアおよびライフサイエンス領域の企業も含まれている。いずれの領域においてもAIやSaaS、プラットフォーム運営などの事業を展開する企業の受賞が目立った。
受賞企業の売上高規模の内訳では、50億円未満の受賞企業(10億円未満、10億~50億円未満の合計)の比率が拡大し、前回を18ポイント上回る84%となった。一方、50億円以上の受賞企業(50億~100億円未満、100億~500億円未満、500億円以上の合計)の比率は2019年から26%、28%、34%と右肩上がりで推移していたが、22年は16%と低下している。
「Technology Fast 50 2022 Japan」は、国内ではTMT業界の企業を過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率によりランキングし、上位50社を発表する。収益成長率を指標とすることにより、企業規模によらない成長性を示せる。このランキングは企業の成長性や成功を知る上でのTMT業界におけるベンチマークの役割を果たし、受賞によって知名度の向上や企業間のネットワークの構築につながるものと考えられる。
ランキング対象となる事業領域は、以下の6領域。
- 半導体や部品・コンピュータ、周辺機器などを含むハードウエア
- アプリや各種管理運用システムを含むソフトウエア
- インターネットやクラウドサービスを含む通信
- 広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア
- バイオや製薬を含むライフサイエンス
- 再生技術やエネルギー貯蔵、機器を含むクリーンテック
- Technology Fast 50 2022 Japanランキング
「Technology Fast 50 2022 Japan」はデロイトの世界共通のサブブランドであるDeloitte Privateの「ベンチャー・成長企業」向け支援プログラムの一環。Deloitte Privateは日本を支えるプライベートカンパニーや上場企業を含むオーナーにフォーカスし、固有のニーズや企業ライフサイクルに応じたサービスを包括的に提供する統合プラットフォームで、おもに「ベンチャー・成長企業」「インベストメントマネジメント」「ファミリービジネス」に係る株式公開準備、事業拡大に向けた販路拡大およびPR、金融機関などからの資金調達、人材採用、海外進出・M&Aなどを支援している。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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