プロダクトマネジメントを体系的に整理し、5つのカテゴリ、計25のメトリクス(評価指標)でプロダクトをつくるチームの状態を把握できるようにした「プロダクトマネジメントクライテリア」が2月25日に公開された。特設サイトから無料で閲覧・利用することができる。
このクライテリアは、2021年3月3日に発売される『プロダクトマネジメントのすべて』(翔泳社刊)をもとにして、共著者の及川卓也氏、曽根原春樹氏、小城久美子氏によって作成された。クライテリアの詳細や改善方法の理解に同書を活用できる。
書籍『プロダクトマネジメントのすべて』と「プロダクトマネジメントクライテリア」では、プロダクトの成功を「ユーザー価値と事業収益がバランスを取りながら最大化している」「ビジョンが実現できている」の2つを達成した状態と定義している。
また、プロダクトマネジメントについては「プロダクトをつくること」「プロダクトチームをつくること」と2つのテーマに分割して扱っており、プロダクトマネージャー本人だけでなく、プロダクトチーム全体の確認にもクライテリアを利用して欲しいとしている。
サブカテゴリとして、「プロダクトをつくること」には「明確なゴール設定」「豊かな仮説構築」「素早い仮説検証」「市場への提供」、「プロダクトチームをつくること」には「プロダクト志向な組織」が設定されており、それぞれ5つ、計25のメトリクスで構成されている。
各メトリクスのページは、なぜ重要なのかの説明と、「計測の仕方」「学習と改善方法」「プラクティスと習慣化の例」「アンチパターン」などの補足が行われている。
作成者の一人、小城氏は今回のクライテリアの公開にあたり、次のようにコメントしている。
「プロダクトマネージャーの仕事はプロダクトを成功させることであり、求められる知識量はとてもおおく、UX、Tech、Business、そして、プロダクトのドメイン知識まで必要とされます。しかし、一人でこれらの知識をすべて深くまで有することは難しく、別の強みを持ったメンバーを巻き込んでチームとして必要なスキルを発揮できていることがプロダクトの成功の近道です。
ときにプロダクトマネージャーは孤独であるとも言われますが、このクライテリアを利用することで、チームとしてプロダクトづくりに向き合い、ふりかえる時間になると嬉しく思います」
なお、クライテリア作成は、日本CTO協会が作成する「DX Criteria 「2つのDX」とデジタル時代の経営ガイドライン」を参考にしたと述べている。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア