バーチャレクス・コンサルティングは、全国の20~65歳の有職者2万9237名を対象に実施した、カスタマーサクセスに関する実態調査の結果を6月27日に発表した。同調査は、3月17日~22日の期間に行われている。
すべての調査対象者のうち、カスタマーサクセスに取り組んでいる層と取り組んでいない層それぞれに、直近1年の新規顧客数および新規売上の推移を尋ねたところ、カスタマーサクセスに取り組んでいる層はどちらも「増加した/上がった」という回答が6割超を占めた。一方、取り組んでいない層では、新規顧客数も新規売上数も「変わらない」という回答が約6割となっている。
継続売上も同様に、カスタマーサクセスに取り組んでいる層では「増加した/上がった」が57.2%に達した。
カスタマーサクセスの取り組みを行っている層(500名)に、カスタマーサクセスに取り組む前と後での売上高および利益率の変化を尋ねた質問では、売上高については56.0%、利益率については51.8%が「向上した」と答えている。
カスタマーサクセスの取り組みについて効果を感じている層、感じていない/どちらともいえない層それぞれに、取り組み前後での売り上げ変化について尋ねたところ、効果を感じている層では「売り上げが向上したと感じる」という回答が77.2%を占めた。一方で、効果を感じていない/どちらともいえない層では「あまり変化は感じない/わからない」が45.1%に達している。
利益率の推移では、効果を感じている層の70.7%が利益率の向上を実感しているが、効果を感じていない/どちらともいえない層では利益率の変化を「感じていない」とする回答が45.1%を占めた。
直近1年で顧客に対して新たに始めた/強化した取り組みとしては(複数回答)、効果を感じている層では「メール/チャットなどでのサポート情報提供」(63.8%)がもっとも多く、「ブログ記事やホワイトペーパーなどのオウンドメディア上でのコンテンツ提供」(58.7%)がそれに続き、テックタッチの強化が垣間見える結果となっている。また、カスタマーサクセスの効果を感じている層と、効果を感じていない/どちらともいえない層とでは、施策の取り組み度合いに大きく差があることが明らかになった。
カスタマーサクセスの効果を感じている層のほとんどが、新たな取り組みを始めたり、取り組みの強化を行ったりしたことで「期待していた効果が得られた」と答えている。
テクノロジーツールの利用状況を尋ねた質問(複数回答)では、効果を感じている層では「顧客情報管理ツール(41.7%)が最多となり、効果を感じていない/どちらともいえない層ではテクノロジーツールを「特に利用していない」という回答が約6割を占めた。一方で、効果を感じている層でも各ツールの利用率は約1~2割とそれほど多くないことから、効果の創出にカスタマーサクセスツールが必須というわけではないことがうかがえる。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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