コミュニティサクセスプラットフォーム「commmune(コミューン)」を提供しているコミューンは、日経リサーチと共同で実施した「国内企業のコミュニティ施策」に関する実態調査の結果を10月30日に発表した。なお、ここでの「コミュニティ施策」とは、企業と顧客、または顧客同士のコミュニケーションの場をつくるオンライン・オフライン双方の施策を指す。
調査は2023年6月16日から20日にかけてインターネット調査(日経IDリサーチサービス)で実施され、日本国内で従業員規模10名以上の会社に勤めており、業務としてマーケティング・ブランディング・広報・宣伝・カスタマーサクセスを掌握・担当している社員を対象に行われた。
コミュニティ施策に対する興味・関心の状況(有効回答数744件)は、「実際に取り組んでいる」「過去に取り組んだことがある」と回答した経験者層が全体の37.9%、「興味がある」「導入を検討している」という興味関心層が29.3%だった。また、「知らない」という回答は4.8%で、コミュニティ施策に対する認知度は非常に高かった。
具体的な施策内容としては、「メルマガ・CRM・会員向け施策」「SNSアカウント運用(ライブ配信など含む)」「コミュニティから吸い上げた共創・商品開発」への関心が高い。
回答者が勤務する従業員規模別の集計では、どの層でも「実際にコミュニティ施策に取り組んでいる」という回答が3割近くあり、従業員規模に関係なく顧客との接点としてコミュニティ施策の活用が進んでいる状況が見て取れる。
コミュニティ施策に興味をもったきっかけ(有効回答数500件)としては、「顧客のニーズ、インサイトを拾う仕組みの重要性を感じたから(54.0%)」が最も多く、「顧客との関係性構築が重要な経営、マーケティング課題に挙がったから(49.8%)」「新たな販促、プロモーションのアイデアが得られる(47.2%)」が続く。
コミュニティ施策に期待する効果として多いものは、「継続的にアプローチ可能な顧客基盤の構築(59.6%)」「商品・サービスを取り巻く顧客インサイトの発見(57.0%)」「自社商品・サービスの推奨者増加・強化(51.8%)」で、一方的に企業の情報を発信するだけでなく、顧客の生の声をインサイトとして得られる双方向のコミュニケーションの場として注目を集めている傾向が見られる。
コミュニティ施策に対する不安(有効回答数500件)としては、「費用対効果があるのかがよくわからない(56.8%)」が最多で、「コミュニティ運営の知見が無いこと(43.4%)」「社内にコミュニティ運営のためのリソースが無い(40.0%)」も多い。
また、「オンラインコミュニティ運営」「アンバサダープログラムの実施」「社内向け(インナー)コミュニティ」の3つの施策を実施している回答者へ、施策の開始(導入)時期を質問したところ(有効回答数163件)、2020年以降(49.6%)が最も多く、コロナ禍以降の対応が急増していることがわかる。
コミューンの執行役員CMOの杉山信弘氏は、コミュニティ施策が現在求められている背景について、「人口減少に伴う新規顧客の減少と、既存顧客の相対的な価値上昇」「デジタル化による消費者が受け取る情報量の増大と、内容より発信者を重視する傾向」「コロナ禍を経てデジタル活用が急進したこと」「個人情報の扱いに対する不可逆的な変化」などを要因として分析する。
また、コミュニティ施策が解決するマーケティングの課題としては「既存顧客のLTVの向上」「顧客理解の解像度向上」「顧客の本音の理解」「顧客のニーズと本音を理解することによるリーチ先の明確化(新しいニーズへのアプローチ)」の4点を挙げている。
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...
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