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ProductZine Day 2024 Summer

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「プロダクトマネージャーカンファレンス2023」セッションレポート

「覚悟」を持つシリコンバレーのプロダクトマネージャーたちに見られる6つの特徴とは

「プロダクトマネージャーカンファレンス2023」セッションレポート


 「その覚悟が世界を変える」というテーマで2023年11月29日に開催された「プロダクトマネージャーカンファレンス2023」。ProducZineはシリコンバレーで17年以上プロダクトマネジメントに携わってきた曽根原春樹氏の講演に注目した。講演のなかで曽根原氏は、有能なプロダクトマネージャー(PM)の6つの特徴を挙げて詳しく解説した。

現時点での最適な視点、長期的な視野、高い視座を持ち、自問自答するべき

 曽根原氏は、シリコンバレーで17年以上の経験を積み、現在はLinkedInの米国本社でシニアプロダクトマネージャーとして活動しながら、日本企業のプロダクト開発も支援している。『プロダクトマネジメントのすべて』の共著者、『ラディカル・プロダクト・シンキング』の監訳者としても知られ、2万6000人以上が受講したUdemyのプロダクトマネジメント講座のインストラクターでもある。

 今回の講演では「シリコンバレーのプロダクトマネージャー達に見る、覚悟を決めたPMは何が違うのか?」というテーマで、「視点→視野→視座」「Over-communication」「Over-indexing状態を避ける」「経営者感覚」「時間の使い方」「ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの使い分け」の6トピックについて解説した。

 最初のトピック「視点→視野→視座」は、重要な意思決定スタンスである。例えばA/Bテストでは、多くのテストを望むPMもいるが、これによりサンプル数が減り効果の判断が難しくなる。そのため、限られた選択肢から最適なテストを選ぶ覚悟が求められる。また、現在の施策だけでなく、時間の経過と共にプロダクトを見る広い視野が必要である。

 シリコンバレーのPMたちは、単なる成長ではなく、急激な成長の瞬間であるステップチェンジを重視している。曽根原氏は、ステップチェンジの具体例としてAmazonのワンクリックオーダーを挙げた。それまでAmazonの顧客は多くのステップを踏んで注文していたが、ワンクリックオーダーの導入により年間のセールスが約5%、金額にして約3000億円の増加があったという。

PMは、大きな成長を念頭に置くべき
PMは、大きな成長を念頭に置くべき

 PMはステップチェンジのために時にロードマップの否定を行うこともある。プロダクト作りは日々新しい学びがあるため、ロードマップが決まっていても、それより正しいことが見つかれば追求すべきだ。PMには、頑固にならない柔軟性が求められる。ステップチェンジはプロダクトマネージャーの決断だけで完結する話ではないこともある。曽根原氏は「経営層やリーダー層はPMをサポートすることが重要です。そうしなければ、プロダクトが大きく成長する瞬間を逃す可能性があります」と付け加えた。

次のページ
意思疎通のズレに注目し、自らのスキル向上にも努めるべき

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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