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ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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プロダクト開発の先進事例に学ぶ、キーパーソンインタビュー

Sansan Labsの西田氏に訊く、社内外にあるビジネス課題を自ら発見し解決していく研究開発組織の在り方

 営業DXサービス「Sansan」内で、未来の働き方を体験できる実験的な機能を提供している「Sansan Labs」。この機能開発を担っているのが、西田貴紀氏がマネジャーを務める技術本部 研究開発部 SocSciグループである。同グループはR&D組織でありながら、研究そのものを目的としていない。「サービスを通じて世の中に価値を届けること」をミッションとしているのだ。画像処理や機械学習のスペシャリストが多数在籍しているという同グループの取り組みについて、話を聞いた。

研究だけでは終わらない、真の課題解決に挑むR&D組織

──まずは西田さんのバックグラウンドを教えていただけますか。

 私は大学・大学院で経済学を専攻しており、中でもデータを使ってビジネスを生み出すところに関心がありました。その知識を活かすべく、卒業後はシンクタンクに就職。政策評価に携わっていたのですが、大学院時代にインターンシップでビッグデータに触れた経験が忘れられず、2017年6月にSansanに転職しました。

 Sansanでの私のミッションは、ユーザーに、蓄積したデータを活用してもらうための新機能を開発すること。そのフィールドの一つとして、Sansan Labsという実験的な機能群があります。

Sansan株式会社 技術本部 研究開発部 SocSciグループ マネジャー 西田貴紀氏
Sansan株式会社 技術本部 研究開発部 SocSciグループ マネジャー 西田貴紀氏

──Sansan Labsが生まれた背景を教えてください。

 もともとデータの分析結果を役員陣に報告する会議体があったんですね。そこでデータの活用方法についていろいろな議論をしているなかで、代表の寺田(親弘)から「これらを『Sansan Labs』としてまとめてリリースすれば、実際にユーザーさんに触ってもらいながら、本体に取り込む価値があるのかどうかを検証できて、いいんじゃない?」という話があって。2018年3月にリリースしたのが最初です。

──西田さんが所属されているSocSciグループには、西田さんのような研究職の方が所属されているのでしょうか。

 そうですね。SocSci=Social Science(社会科学)。私は経済学でしたが、他にも社会学や経営学を専攻していたメンバーが在籍しています。グループが発足した当初は、社会科学のアプローチを取り入れながら、データをエビデンスとして意思決定に活かしていく方法を研究していたのですが、そこからどんどん役割が拡張していって、今では「社内外にあるビジネス課題を自ら発見し、それらを解決すること」を主なミッションとしています。

──R&Dというよりは、もはや新規事業開発に近いイメージですね。

 まさに、R&DらしからぬR&Dだと思います。Sansanの研究開発部には、過去に大手企業で研究開発に取り組んでいて、製品化まで至らなかったことに対するフラストレーションを抱えたメンバーが多いんですよね。これを解消するには、実際に自分たちでつくってリリースするところまで踏み込むのが一番だろう、という狙いがあります。

──実際、SocSciグループでは、どんなふうに物事を進めているのですか。

 例えば、社内の営業と議論しながら、営業活動の効率化に役立つデータ活用アプリをつくって、まずは社内で検証した後、Sansan Labsでユーザーさんにも公開するとか。逆に、Sansanのユーザーさんから要望のあったアイデアを形にして、それを社内の営業部門向けにアレンジして独自の社内アプリを開発するようなこともあります。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...

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