Hajimariは、ITエンジニア300名を対象にエンジニアのAI活用に関する実態調査を実施し、同社が運営するフリーランスプロ人材マッチング「ITプロパートナーズ」のWebサイトで公開した。
同調査の内容は以下の通り。
調査対象者に対し「開発業務に生成AIを活用しているか」について尋ねたところ、生成AIを業務に活用している人は約29.3%にとどまり、41%の人は現状活用を考えていないことがわかった。
年代別の分析では、世代ごとに活用率に大幅な違いはないが、生成AIの活用意欲に関して大きな差があった。40~50代の中堅・ベテラン層の36.26%が「活用したいが、活用できていない」と回答しており、20~30代の若手層の17.81%を大きく上回っている。これにより、中堅・ベテラン層のエンジニアが生成AI活用に強い関心を持っていると判明した。
また、20~30代の52.05%が「活用する気は今のところない」と回答しており、従来の「若手ほど新技術に積極的」という認識を覆す結果となった。さらに年収別で見たところ、高年収層は生成AI活用率が高く、年収1000万円以上では約60%が活用している反面、年収400万円以下では著しく活用率が下がり20%を切ることがわかる。
「開発業務に生成AIを活用している」と答えた人に「どのような場面で生成AIを使っているか」を尋ねたところ「調べ物・問題解決」「データ分析・可視化」「コーディング」の順で多く、幅広い業務で活用されていた。また、約70%の人が成果物の2割以上で生成AIを利用しており、生成AIを活用している人は業務への浸透が進んでいることがわかった。
同じく「開発業務に生成AIを活用している」と答えた人に、「生成AI活用の効果を実感しているか」と尋ねたところ、生成AI活用者の約90%が期待通りまたはそれ以上の効果を感じていることがわかった。
一方で、「生成AI導入後に新たに発生した業務や課題はあるか」と尋ねたところ、成果物の品質維持や新たな学習負担、既存システムとの統合の難しさなどが挙げられた。
「開発業務に生成AIを活用したいが、活用できていない」または「生成AIを活用する気は今のところない」と答えた人に生成AIを活用していない理由を尋ねたところ「業務遂行に必要ない」「セキュリティリスク」「信頼性への不安」が上位を占めた。しかし約56%のエンジニアが生成AIに興味を持ち、学習意欲を示している。
一方で、開発業務に生成AIを「活用したいが、活用できていない」または「活用する気は今のところない」と答えた人に「これから生成AIを学びたいと思うか」を尋ねたところ、約56%の人が「生成AIに強い興味があり、積極的に学びたい」「生成AIに興味があり、学びたい」と考えていることがわかった。
また「何があれば生成AIを活用するか」の質問では「業務上の必要性」(24.7%)や「会社の方針など強制力」(11.8%)を求める声が多く、また「具体的なAI活用事例や成功事例」を求める声(18.5%)が多いことや「周りが使い始めたら」(7.8%)という回答も一定あることから、まだ生成AIに対して様子見のエンジニアが多いことがわかった。
活用の有無を問わずすべてのエンジニアに、生成AIに「生成AIの普及により、エンジニアの仕事が代替されると感じるか」と尋ねたところ、約90%のエンジニアがAIによる仕事の代替を意識しているという結果になった。
「生成AIに仕事が代替される可能性にどのように対処しているか」という質問に対しては、具体的な対策をとっている人は限られていることがわかった。現状「認識と行動のギャップ」が起こっており、多くのエンジニアが変化の必要性を感じつつも具体的な行動に移せていない現状が浮き彫りとなった。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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