編注
原文:「Beyond launch day: How to plan successful B2B product rollouts」。翻訳にあたり若干加筆修正を行っています。
BtoBプロダクトのロールアウトに伴うチャレンジ
驚く方も多いかもしれませんが、BtoBの新規プロダクトのロールアウトは、通常より大きな困難を伴いがちです。
その理由の一つとして、新機能のリリースの場合、理想的なシナリオとしてはある一定の量のテストが必要となりますが、BtoC企業では数百万人ものユーザーが確保できうるのに対し、ほとんどのBtoB企業は、数千人が自社の製品を定期的に使用してくれれば幸運、と言えるような状態であることです。BtoBではサンプル数が少ないため、BtoCのように常に大量のテストを行えません。このことが、新機能のローンチに伴うリスクを本質的に増大させる原因となっています。
また、BtoBツールは、生産性を向上させるツールである場合が多いため、ローンチされた新機能をメッセージやガイドで無理に表示すると、煙たがられる可能性があります。つまり、プロダクト内でアダプションを促進させようとする試みが最善策とはならない場合もあるのです。
そのため、BtoBプロダクトのロールアウトでは、GTM(Go-to-Market)チームが重要な役割を果たします。GTMチームは、営業チームとトレーニングを実施したり、サポートに関するベーシックな質問に回答したりします。BtoBプロダクトのローンチは、非常にクロスファンクショナルな取り組みと言えます。
この記事では、Mixpanelのプロダクトマネージャーである私とチームが、実際の弊社プロダクトのロールアウトについて、大きく4つのステージに分けながらアプローチしている方法をご紹介します。
プロダクトのロールアウトを成功させる4つのステージ(1)
プロダクトのロールアウトをスムーズに行うには、十分な準備作業に支えられた段階的なアプローチをとることがベストな方法です。QAチームが見落としたバグを発見するためだけに、全顧客ベースに対して大きな機能をロールアウトするわけにはいかないでしょう。
ステージ1:プレロールアウト
BtoBの新機能や新プロダクトに関するローンチのプランニングは、プロダクトチームが何か作業を始める数週間前、時には数か月前に行われるべきです。
これは、BtoB特有の特徴によるところが大きいです。例えば、さまざまなペルソナ。Mixpanelを例に見てみると、マーケティング担当者、エンジニア、プロダクトマネージャーなど、さまざまなタイプのユーザーがいます。私たちが構築する新機能は、これらのペルソナの組み合わせや、時にはすべてのタイプのペルソナにアピールする必要があります。
コードを一行書いたりボタンをデザインしたりする前に、この新機能を使うペルソナと、その本質的なニーズを理解しておく必要があります。この理解は、機能をどのように位置づけ、どうマーケティングするか、セールスチームをどのようにトレーニングするか、などを決定することになるので非常に重要です。仮で新機能のプレスリリースを作成することは、この、ニーズとアプローチの確認作業として役立つかもしれません。
ここで定めたポジショニングに向かって、プロダクトチーム(エンジニアリング、プロダクト、デザイン)はどのようにこの機能を構築するかを決めます。
私たちプロダクトチームは、ポジショニングが完了して構築が進行中になると、社内で使うイネーブルメントのための資料やトレーニングの準備を始めます。
例えば、以下のようなポイントで考えます。
- この機能は何か?
- 誰のための機能か?
- どのように動作するのか?
- 価格設定は?
- その他のテクニカルな質問
カスタマーサクセス、サポート、ソリューション・エンジニア、セールス、ポストセールスの各チームが聞かれるであろう、これらの質問に対する回答を用意しておく必要があります。これに伴い、各チームと協力しながら、社内から出てくる質問を予測することは非常に有益で、私たちプロダクトチーム自身のトレーニングにもなっています。
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このステージで重要な関連チーム
- プロダクトマーケティング、セールスイネーブルメント、カスタマーサクセス&サポート
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Mixpanelが利用する主なレポート
- フロー分析(新機能の代わりに現在利用されている回避策を調べる)