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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

1人目プロダクトマネージャーの教科書 ~成長の立役者になるには~

1人目PMとしてプロダクトの戦略をどう作るか

1人目プロダクトマネージャーの教科書 ~成長の立役者になるには~ 第3回

3.4 ギャップを明確にし、優先順位をつける

 業界と会社の「未来と現在地」が見えてきたら、ようやく戦略設計のスタートラインに立てます。PMがやるべきは、そこから「差分(ギャップ)を明確化し、それをどう埋めるかを考えること」です。

  • 競合がSaaS化を進める中、自社はオンプレに縛られている
  • 社長はAI活用をビジョンに掲げているが、現場に技術リソースがない
  • 海外展開が成長ドライバーだが、社内には英語対応の仕組みが皆無

 こうしたギャップを列挙し、そこに優先順位をつけていくことで、戦略が“現実に即したアプローチ”へと姿を変えていきます。

 優先順位をつける軸は、以下のような観点が役立ちます:

  • 影響範囲が広いか(事業インパクト)
  • 競争優位につながるか
  • 短期で実行できるか(着手ハードル)
  • 中長期でポジションを築けるか(資産性)

 戦略とは、「何をやるか」を決める作業であると同時に、「何をやらないか」を決める意思決定の連続なのです。このように、ギャップを埋めるためにどのアプローチを取るべきかを整理し、短期・中期・長期の視点でロードマップを作ることが、1人目PMの戦略設計と言えるでしょう。

まとめ:「戦略とは、“差分を埋める架け橋”を設計すること」

 1人目PMが描く戦略とは、「良いことを全部やる」計画ではありません。限られた資源で最大の成果を出すために、“未来と現在の差分”を埋めるための、現実的な道筋を設計する行為です。

 業界⇔会社/未来⇔現在の4象限を俯瞰して捉え、ギャップを可視化し、優先順位をつけて、いまやるべきことに集中する。これが、1人目PMが描くべき戦略の基本構造です。

 次回は、この戦略を“誰と、どう実行していくか?”にフォーカスを移します。チームとの信頼関係をどう築き、共に動く組織をつくっていくのか──第4回「チームと協働するために」に続きます。

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この記事の著者

蜂須賀 大貴(ハチスカ ヒロキ)

Newbee株式会社 代表 / プロダクトマネージャー IMAGICA Lab.でエンジニアとしてキャリアを開始後、複数企業でプロダクトマネジメントおよび開発組織の立ち上げに従事。サイカではHead of Productとしてプロダクト戦略をリードし、事業成長に貢献。PIVOTではプロダクトマ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/3549 2025/06/27 11:00

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