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デブサミ2026の初日をProductZineとコラボで開催。

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

プロダクト開発の先進事例に学ぶ、キーパーソンインタビュー

「想定外の裏技」から生まれたLINE WORKSラジャー。既存市場の壁を越え新プロダクトを生み出した泥臭いインサイト発掘と決断のプロセス

「別アプリ化」の決断。チームの異論がUXを救った

 ラジャーの展開において、最大の意思決定は「LINE WORKSアプリの一機能とするか、別アプリにするか」という点だった。

 「最初は、数百万IDの基盤がある既存アプリ内に新機能として組み込む前提で考えていました。既存基盤を活かせるので、事業的にはその方が合理的ですし、成長も早いと考えていたからです」と小田切氏は明かす。しかし、チーム内でのフラットな議論がその判断を覆した。

 「ただ、議論の中で1人のメンバーから、『使われなければ意味がない。基準はLINE WORKSでもビジネスでもなく、誰でもすぐ使える従来型のインカムだ』という趣旨の意見が出ました。インカムとして使うなら、アプリを開いてタブを切り替える3、4ステップすら致命的な摩擦になるという指摘です。

 実際、LINE WORKSは多様な業務に対応できることが強みである一方、現場の最前線で求められるのは、迷わずすぐ使える圧倒的なシンプルさです。そこにさらに機能を重ねても、インカムの体験には勝てないのではないか、という議論になりました。そこで一度、既存基盤や開発効率の発想から離れ、何よりも『ユーザー体験の最大化』を優先して考え直しました。その結果、LINE WORKSへの機能追加ではなく、今のラジャーのような単独アプリとして設計する方向に舵を切りました」

 小田切氏は、プロダクトマネージャーとしてチームのポテンシャルを最大化することを重視している。「仕事の成果は『スキル×モチベーション』。議論をフラットに遊ばせ、メンバーの熱量を引き出すことで、自分1人の頭ではたどり着けなかった正解に到達できるのです」

「ラストラインは自分」という覚悟を持つ

 最後に、ProductZine読者のプロダクトマネージャーに向けて、小田切氏はメッセージを送った。

 「プロダクトマネージャーに求められるのは、泥臭くやり切る姿勢です。ラストライン(最終防衛線)は自分である、という覚悟を持ってプロダクトに向き合い続けているか。ユーザーの『裏技』という小さなヒントを見逃さず、常識を疑い、現場の解像度を極限まで高めていく。その覚悟があれば、意思決定の脳みそは必ず鍛えられます」

 見えにくい現場の課題を解き明かすヒントは、ユーザーの日常的な行動の裏側に隠されている。今回のエピソードが、読者の皆さんのプロダクト開発や日々の仮説検証において、少しでも実践的な気づきとなれば幸いだ。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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