イベントデータとは?
これまでGAでは、ブラウザのクッキーを活用して「ページビュー」を計測していました。これは「どのページにアクセスしたのか」を軸にデータ計測しています。ページが何回閲覧されたのか(インプレッション)、何人がページに訪れたのか(リーチ)など、基本はページビューです。
では、今回のGA4へのアップデートにより、どう変わるのでしょうか。考え方が大きく変わります。ページビューで測定するのではなく、ユーザーの一人ひとりの行動データが軸になります。そのユーザーが起こす行動データを「イベントデータ」と呼びます。
図1をご覧ください。例えば、あるWebサイトに動画が掲載されているページがあるとします。ユーザーがこのページを訪れると、1ページビューになります。10分間映像を視聴したとしても1ページビューになります。また、訪問して視聴しなくても、視聴時間が10秒でも1時間でも、1ページビューであることに変わりはないです。同じ1ページビューでも、視聴の価値が含まれると解釈が変わってきます。
ここからはユーザーが体験したイベントデータ別に見ていきます。ここでのユーザーの行動は、
- ページに訪れた
- 再生ボタンをクリックした
- 再生時間分の映像を見た
という行動データが発生しており、これらの行動データがイベントデータになります。つまり「人が何をしたのかを数えること」がイベントデータです。今までのGAのページビューも「ページに訪れた」という行動データで数えることができます。ユーザーが起こしたアクションを軸にデータを数えるイベントデータがGA4の根本になります。
そして、今回のGA4からはWebサイトとアプリのイベントデータを一緒に見ることが可能になりました(図2)。これまでのGAでは、バラバラの2つのデータベースを管理する必要があり、Webサイト、アプリの双方にAさんが存在する場合、Aさんが2人いることになってしまうケースがありました。さらに、両方を併用するユーザーの行動データを見ることが困難な場合も多くありました。
また図3に示すように、アプリをページビューで数えることは一般的ではなく、同じ画面内にいくつもの機能やボタンが設置されていることもあるため、行動データをもとに計測する必要があります。GA4では、別ページへ遷移したことも行動データとして測定できるため、どのような順番で行動したのかなど、ユーザーフロー(ユーザーの動線)もイベントデータを軸に分析可能になっています。