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プロダクトに対する熱意と、関係者へのリスペクトがあるか
──プロダクトマネージャー求職者が面接で失敗するケースに、やみくもに応募することや、面接で実績を伝えられないことを伺いました。ほかにどんな失敗例がありますか?
山本:応募する企業のプロダクトや業界について調べていないことが挙げられます。プロダクトマネージャーはどれだけそのプロダクトに熱量を持って取り組めるかが重要です。コンシューマー向けのプロダクトなら想像しやすいかもしれませんが、バーティカルSaaSなど、直接利用経験のないプロダクトであっても業界研究をして業界の課題などはある程度調べれば分かるはずです。事前に準備をして臨むスタンスは重要だと思います。カジュアル面談でも何も準備していないと断られるかもしれません。
山本航(やまもと・わたる)氏
日系戦略コンサルティングファームを経て2018年にクライス&カンパニーへ入社。主にプロダクトマネージャーやコンサル出身者のキャリア支援を専門とし、Podcast番組「プロダクトマネージャーのキャリアラジオ」のパーソナリティを務める。2022年プロダクトマネージャーカンファレンス登壇。
松永:プロダクトマネージャーはさまざまな職種の方と仕事をするので、これまでの業務を語る際に他の職種とどのように仕事を進めたかを語れることも重要です。どのように他者と協働していくかを説明することで、他の職種にリスペクトがあるかが分かります。いろいろな職種のハブになる仕事ですので、上から目線で語ってしまうようなことがないようにしたいものです。
松永拓也(まつなが・たくや)氏
大手食品メーカー、大手人材紹介会社を経て2018年にクライス&カンパニーへ入社。IT/Web業界に強みを持つキャリアコンサルタントとして10年以上の経験を持つ。2019年プロダクトマネージャーチームの立ち上げを行い、これまで250名以上のプロダクトマネジメントのキャリア面談を実施。2021年プロダクトマネージャーカンファレンス登壇。
──プロダクトマネージャーを求める企業と求職者両方の視点で、面接時にどのような質問をしたらいいのか教えてください。
山本:しっかり練られた面接をする企業では「過去に戻れるとしたら、担当したプロダクトをどう改善しますか」といった質問をされることがあります。この質問でPDCAサイクルやプロダクトの選考にこだわる姿勢や行動を知ることができます。求職者の方は、自分がなりたい姿とマッチするかどうかを確かめるためにミッションやビジョン、プロダクトマネージャーに求めることを擦り合わせる必要があるでしょう。
松永:加えて、求職者は自分がなぜプロダクトマネージャーとして転職したいのか、何を求めているかを掘り下げて、それがかなう企業なのかどうかの質問をしていくことが大事ですね。
山本:優秀なプロダクトマネージャーは企業同士の争奪戦になるので、企業側は面接の限られた時間のなかでしっかり魅力を伝える必要があります。うまい企業はプロダクト組織の理解や役割分担、プロダクトマネージャー育成のための取り組みなどを具体的に説明しています。「求職者をジャッジしてやろう」という視点ではいい人は採用できない時代になっています。