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プロダクトマネージャーを志したら考えたい2つのこと

あなたは本当にやりたいと思っているのか?──プロダクトマネージャーを志したら考えたい2つのこと

プロダクトマネージャーを志したら考えたい2つのこと(後編)

 「プロダクトマネージャーになりたい」という声が増えてきた一方で、所属する会社にプロダクトマネージャーのポジションが確立されていないことも多く、そのハードルは比較的高い。エンジニアやプロジェクトマネージャーを経た後、メディア業界一筋のプロダクトマネージャーとして、現在PIVOTで活躍する蜂須賀大貴さんが、その課題について2つの視点で切り込みます。後編では、プロダクトマネージャーになりたいという背景の自己分析と、その際に考えておくべきことについて。(編集部)

あなたが「プロダクトマネージャー」になりたい理由を整理する

 数々のプロダクトマネージャーと仲良くさせていただいていて日々感じるのは、プロダクトマネージャーになったきっかけは、以下の2つに大別されるということだ。

  1. 自分のため
  2. 会社のため

 私自身も含め、きっかけはいずれかであっても、経験や成長の中で両者が交わっていくものである。

 ただどちらがきっかけであれ、それを原動力に変え「私がプロダクトマネージャーとして、プロダクトマネジメント業務をやり遂げることが最善の方法である」と説明できるようになっていることが必要で、それは両方の側面から納得感があることが重要だ。

 では、それぞれのケースを掘り下げて必要な思考法を整理していきたい。

自分のためにプロダクトマネージャーになりたい場合

 まず「“自分のために”プロダクトマネージャーになりたい」ケースだ。

 その理由はさまざまあるが「中長期的な自身のキャリア形成のため」といった、今の環境での経験をもとにステップアップしていくという視点や、将来のキャリアはまだうっすらしか見えていないが「プロダクトが好きで、開発、マーケ、事業などさまざまな役割で強みを発揮したい。プロダクトのためになんでもやりたい」という考え方もある。

 当然ながらいずれの視点も正しいか間違っているかなど他人がとやかくいう筋合いはない。本人の志や好きなこと、野心に従うことが原動力につながりやすい。

 一方で、この時点だとまだ「なりたい」という欲求に過ぎず、これだけで推薦や承認を得られる人は日頃から実績や信頼貯金が積み上げられていて、すでにまわりも「プロダクトマネージャーになるべきだ」と思っている場合のみだろう。

 ここで考えてもらいたいのは「未経験のあなたをプロダクトマネージャーにする”企業側のメリット”が何か」ということだ。

 プロダクトマネージャーという職種は企業によって定義がさまざまな現状だが、共通して言えることは事業やプロダクトを成長させることがミッションであることだ。少し余談だが、開発チームのディレクションのみを任されていて、事業の成長は役割から外れているプロダクトマネージャーもよく目にするが、この仕事は開発部門のプロジェクトマネージャーだと筆者は思っている。

 つまりプロダクトマネージャーの仕事は、一部の例外を除いて決して1人で完結するものではなく、会社の目標と一蓮托生の存在である。そのため、経営層や上司から「この人に事業を、プロダクトを任せられる。任せたい!」と思ってもらわないと自分の気持ちだけではなれない仕事である。

 この観点から「私をプロダクトマネージャーにすることで会社にとってプラスになるのか」という思考はぜひ持ってほしい

 具体的には、

  • 売上や利益といった追っている数字を伸ばせるのか
  • 社内外のステークホルダーとのコミュニケーションは今より円滑になるのか
  • 顧客の声やアンケートといった定性データと、サーバーログやアクセス履歴といった定量データをもとにした短期的なアクションが立てられるか
  • 市場や他業界の動向をもとに経営的な視野を含めた中長期的なロードマップが立てられるか

といった、プロダクトマネージャーの仕事全体の中でプラスに働く部分と伸び代を明確にし、総合的に判断した上でのプラスになる要素を言語化し、伝える準備が必要である。これは遅かれ早かれプロダクトマネージャーに必須のスキルであることから、早期に身につける役にも立つだろう。

 一方で、総合的に判断した上で「自分はまだ自信がない」という場合でも、ネガティブに捉える必要はない。上記のように細分化した末に足りないところが見えてきたのであれば、そこを伸ばすまでだ。学生時代の科目ごとの苦手分析と同様に、英語が弱ければ英語に重点的に取り組めば良いし、国語が得意であれば今の水準を維持できるように今のペースを続ければ良い。あなたが永遠にプロダクトマネージャーに向いていないというわけではなく、現時点で足りないスキルが明確になっただけだ。

次のページ
会社のためにプロダクトマネージャーになりたい場合

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この記事の著者

蜂須賀 大貴(ハチスカ ヒロキ)

 新卒から一貫してメディア/エンタメ業界に従事し、プロダクトマネージャーとして、キー局、映画会社、VOD事業者をはじめとする多くのメディア企業のプロダクト/プロジェクトを担当。大企業、フリーランス、複業、スタートアップとあらゆる形態でのプロダクトマネジメントを経験  現在はPIVOT株式会社にて、プロダクトマネージャー。  また、Developers Boost 2019 におけるベストスピーカー賞 第二位など、主にアジャイ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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