Insight Research──仮説を生み出す「探索型リサーチ」の新サービス
「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、企業の新規事業の立ち上げや、デザイン戦略立案、デザイン組織構築支援を展開するグッドパッチ。同社では1年ほど前から「Insight Research」という探索型リサーチプロジェクトのサービスを立ち上げ、米田氏がデザインリサーチャーとしてこのサービスに携わっている。
Insight Researchは、2〜3か月の間、顧客と並走して行う探索型リサーチプロジェクトのサービスだ。新規事業の創出や既存事業の改善を行う場合、「市場・ビジネス」「技術」「人」という3つの起点が考えられるが、その中でも「人」にフォーカスした活動を展開するサービスとなっている。
米田氏は、リサーチには仮説の確からしさを検証するための「検証型」と新しい方向性の仮説をつくる「探索型」の2種類があるとし、探索型リサーチは価値観や行動、感情を探るものだと説明した。そして、このサービスを受けた顧客の行動変容をいくつか紹介した。
ある定性リサーチの確からしさに懐疑的だった人は「今後の意思決定のベースにしたい」となり、探索型リサーチによる価値抽出に疑問を抱く人からは「今回見つけたユーザー価値は、過去からの蓄積も踏まえられていてすごい」との感想を得た。ほかにも、「自部署だけで行う予定だったが、複数部署を巻き込んでリサーチプロジェクトが体験できるワークショップを実施したい」という意見もあった。
Insight Researchについて米田氏は、「深く、分厚いヒントを増やして、チームでの仮説構築とアクション設計を可能にすることです。チームでやるからこそ、実行してそのアクションがうまくいかなかったときにも、立ち戻れる場所になるのではないかと思います」と語った。
GUIDE──5段階のアプローチで探索型リサーチを展開
Insight Researchでは、「GUIDE(ガイド)」と名付けた5段階のアプローチをとっている。「Goal:着地点を明確にする」「Untangle:既知と未知を整理する」「Insight:洞察を得る」「Direction:方向性を決める」「Entrust:信じて託す」の頭文字をとったものだ。米田氏は、各段階の説明をした。