才流は、BtoB領域でビジネスの成長に関わる人134人を対象に「PMFに関するアンケート調査」を実施し、実態をまとめたレポートを公開した。
新規事業を成功させるためのプロセスとして、PMF(プロダクトマーケットフィット)が注目されている。しかし実際に意識してPMFに取り組んでいる事業はまだまだ少なく、定量データもほとんど世にでていない。
そこで今回の調査では、PMFの達成に必要な組織や取り組みなどリアルな実態が明らかになった。
- 134人の回答者中、PMF経験者は3割
PMFを達成できた事業とPMFを達成できなかった事業の差を比較するために、PMF経験の有無を聞いたところ、全134人の回答者中「PMFの経験あり」と回答した人は31.3%だった。「PMFの経験なし」と回答した人の中には「PMFのことをよく理解できていない」というフリーコメントも見られ、PMFの概念自体がまだまだ認知が低いことがわかる。
- PMFを達成するまでに要した期間は、3年未満が9割以上
PMFの経験ありと回答した人に、サービスのリリースから最初のPMFまでの期間を聞いたところ、もっとも多かったのは「2年以上~3年未満」で28.2%、次いで「半年未満」「1年以上~2年未満」が同率の23.1%となった。全体の9割以上が3年未満と回答しており、PMF達成までの期間は「3年」がひとつのターニングポイントだと言える。
- PMFにもっとも貢献した行動は「顧客視点での訴求見直し」
PMFの経験ありと回答した人にPMFを達成するまでに取り組んだことを聞いたところ、「商品・サービスの機能を改善した」「顧客に受け入れられるコンセプトやメッセージを生み出した」が上位となった。
中でもPMF達成のためにもっとも貢献した(価値があった)取り組みを聞いたところ、「顧客に受け入れられるメッセージを生み出した」が最多となった。PMF達成には、顧客視点で商品・サービスを見直す行動が必要であることがわかる。
一方、PMFの経験なしと回答した人に「PMF達成に向けて取り組めばよかったと思うこと」を聞いたところ、競合調査や仮説検証をおさえて「顧客や見込み顧客の声を収集すればよかった」という人が最多となった。
- PMF後、売上やリードが増え、組織は拡大する
PMF達成後の変化としてもっとも多かったのは「売上が上がった」で21.6%だった。また、需要に対応するため採用を強化したり組織体制を変更したりすることも多いことが明らかになった。多くの方がPMFによって、セールスへの好影響を実感していることがわかる。
なお同社では、現場の最前線でPMFにチャレンジしてきたゲストが事業成功の裏側やPMFまでのエピソードなどを語るオンラインイベント「PMF CONFERENCE 2023」を7月11日に開催する。オープニングセッションでは、同調査結果についての解説も行われる。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
「プロダクト開発」にフォーカスしたオンラインメディアです。プロダクトマネージャーや、プロダクトマネージャーを目指す方をはじめ、チームメンバーや事業責任者、テックリードなど、プロダクト開発を「正しく」進めていきたいすべての人のために、プロダクトマネジメントに関するあらゆる知見をお届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア