年々上昇するプロダクトマネージャーのオファー年収とその背景
転職市場においてプロダクトマネージャーに提示される年収の水準は、プロダクトマネージャーが多くの企業で不足しているため年々上昇する傾向にあります。
数年前なら年収600万円~800万円の提示だったクラスの人たちに対し、現在は1000万円を超えるオファー提示も珍しくありません。未経験であっても、人によっては700万円~800万円のオファーが出されることもあります。
プロダクトマネージャーの中でも特に足りていないのが、経験年数3~6年程度で即戦力として活躍できるミドル層、7~10年程度のシニア層人材です(経験年数はあくまで目安で、各階層に決まった定義はありません)。いろいろな会社が「ミドル層、シニア層はどこにいるのか」と一生懸命探しているので、このクラスの人たちが転職市場に出ると、ほとんどのケースで複数の企業から内定が出ます。
そして内定が複数出ると、「うちは年収○○万円出します!」「じゃあうちはそれにプラス50万円で!」と年収のつり上げ合いになったりします。年収が高騰しているとまではいきませんが、即戦力人材はかなり上昇傾向にあるといえます。
一方、プロダクトマネージャー未経験者層はどうかというと、年収の話の前になかなか内定が出にくい状況です。ただし、ごくまれに「この人はポテンシャルが高く、育てがいがある」「未経験だけど立ち上がりが早そう」と評価された場合、700万円くらいのオファーが出るケースもあります。
結局のところ、すぐ戦力になれる人・そうでない人で、オファー金額の高低に違いが生じているといえます。
プロダクトマネージャーの年収が上昇傾向にある理由としては人材不足に加え、企業側の年収テーブルが引き上げられていることもあるでしょう。ただし、それはプロダクトマネージャーに限った話ではありません。
プロダクトマネージャーを数多く採用しているのはスタートアップ企業で、スタートアップの世界では数年前から全体的に年収が上昇する傾向にあります。背景には資金調達額の増加や、スタートアップ企業の多くが属するIT産業の成長などの要因があります。それらによってスタートアップで働く、ありとあらゆる職種の年収が上がっているわけです。
そうした状況のなか、プロダクトマネージャーの重要性が広く認知されるようになってきました。ここにしっかり投資をしなければよいプロダクトマネージャーを採用できず、よいプロダクトを作れません。そしてよいプロダクトを作れなければ事業が成長しないため、多くの会社がプロダクトマネージャーの採用に注力するようになり、即戦力の人はよりオファー金額が積み増される、という構図になっています。