プロダクトフォースは、マーケティングアプリケーションズと共同で実施した、海外におけるリサーチ×AIの最新事例に関する調査の結果をレポートにまとめて、9月4日に公開した。
同調査にあたって、グローバルプレイヤーの「リサーチ×AIトレンド」を理解すべく、以下の3つのカテゴリにて事象をピックアップしている。
- 回答パネルのデジタルクローン化
- リサーチスキルの獲得と拡張
- リサーチオペレーションの自動化
「回答パネルのデジタルクローン化」は、AIで生成された仮想の思考モデルを用いて生身の人間による回答を代替するアプローチで、高い回答精度を持てれば時間的にもコスト面でも従来の調査を大きく上回る成果を出せる。また、従来は回答を得ることが難しかったレアターゲットからの回答を集められるようになり、パネル数や回答品質のジレンマから解放される可能性がある。
同アプローチに関連する事例としては、生身の人間の回答データを用いることなく、ブランドのターゲットオーディエンスの詳細な仮想モデルであるシンセティックパーソン(AIにより合成された人工的な回答者)を作成して、これらのパーソンを調査およびインタビューすることで市場インサイトをリアルタイムで生成できる「Evidenza」や、シンセティックレスポンダント(AIにより合成された人工的な回答者)を提供し、機械学習を活用して特定の人口セグメントを模倣する仮想ユーザーを作成する「PersonaPanels」が挙げられる。
「リサーチスキルの獲得と拡張」は、リサーチャーがより高い成果を生み出すためのアシスト、またはリサーチャーとしてのスキル・ノウハウ不足を補うためのアシストをAIが行うアプローチ。調査設計や、データを洞察・分析する上での示唆を提供するなど、強力なサポートを得ることが可能になっている。
同アプローチに関連する事例としては、ユーザーリサーチとプロダクトテストを支援するプラットフォームであり、リサーチャーやプロダクトチームが効果的なアンケート質問を作成して洞察力のある実用的な回答を得るための支援を提供する「Ask the perfect question」機能、ユーザーの初期の回答に基づいて自動的に追加の質問を生成し、より深い洞察を得られる「Dynamic follow-up that digs for more insights」機能を備えた「Maze」や、ユーザーリサーチやフィードバックの収集、分析、管理を支援するためのプラットフォームであり、AI連携によってインタビュー調査の結果に対してリサーチャーにとって大切なポイントを示唆する「Magic」機能を備えた「Dovetail」が挙げられる。
「リサーチオペレーションの自動化」では、これまで多くの時間とリソースを割いてきた、さまざまなオペレーションをAIが代替することで、より迅速に成果や結果を得ることができる。
同アプローチに関連する事例としては、定性データ分析のためのツールであり、AIを活用してデータのコーディングやテーマの抽出を自動化し、リサーチャーの業務を大幅に削減する「ATLAS.ti」や、リアルタイムで収集されたアンケート回答データを自動的に分析することによって、データのトレンドやパターンを瞬時に可視化し、リサーチャーの手作業を削減可能な「SurveySparrow」が挙げられる。
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ProductZine編集部(プロダクトジンヘンシュウブ)
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