はじめに
ファインディでは、プロダクトマネジメントの課題解決と知識共有を目的とした「PM Hub」というコミュニティイベントを定期的に開催しています。各社の取り組み事例や成功事例の共有、プロダクトマネージャー同士の交流を通じて、共通の課題やベストプラクティスについて話し合い、知識と経験を共有することで明日から使える気づきや学びを得られる場を提供しています。
先日開催された「PM LT Night」では、「事業を加速させるPMとデザイナーの協働」をテーマに議論が行われました。プロダクトマネージャー(以下、PM)は、急速に変化する市場や競争の激化など、さまざまな課題に直面しています。そうした中で、PM間の効果的な連携を実現することは非常に重要な課題となっています。
本記事では、イベントで共有された知見をもとに、デザイナーとの協業のためのポイントをお伝えします。
LT1:PMとデザイナーが協働してプロダクトを最速で立ち上げるためのメソッド
株式会社estieからは、新規プロダクト立ち上げにおけるPMとデザイナーの協働について発表がありました。
目指したい世界観を一致させる
プロダクト開発の初期段階で、PMとデザイナーが最終的なゴールイメージの共通認識を持つことが重要です。estieでは、以下のような取り組みを行っています。
- 業務内容の深堀り
- 各機能やプロダクトの接続点の議論
- スコープとする範囲の議論
これらの議論を通じて、実現したいプロダクトの全体像を理想ベースで描き出します。
デザインドリブンでチームを前に進める
estieでは、デザインを起点としてプロダクト開発を進めています。具体的には以下のようなアプローチを取っています。
- デザイナーが「壊す前提の粗いデザイン」を作成する
- PMがそのデザインをベースに顧客の課題やニーズを引き出す
- デザイナーがPMの情報をもとに、エンジニアと解法や仕様を詰める
このアプローチにより、以下のメリットが得られています。
- 顧客の中で言語化されていない課題を引き出し、新たな価値を発見しやすくなる
- 顧客のイメージがつきやすく、より多くのアイデアを引き出せる
- 仕様書という中間成果物を減らし、開発のスピードアップを実現する
背中を合わせてアウトプットとインプットを繰り返す
PMとデザイナーが互いの強みを活かしながら、密接に協働することで、プロダクト開発の効率が大幅に向上します。estieでの実践例は以下のとおりです。
- PMはWhyの言語化に集中し、What・Howの細部はデザイナーを信じて任せる
- 全体像の整理やデザインにより共通認識が取れているため、大きく方向性がズレることがない
このように、PMとデザイナーが互いの専門性を尊重しながら、緊密に連携することで、プロダクトの最速立ち上げを実現しています。
総括
estieの事例から、PMとデザイナーが協働してプロダクトを最速で立ち上げるためのポイントは以下の3つにまとめられます。
- 目指したい世界観を一致させる:プロジェクト初期に全体像を共有し、共通認識を持つ
- デザインドリブンでチームを前に進める:早い段階で具体的なデザインを作成し、それを基に議論を進める
- 背中を合わせてアウトプットとインプットを繰り返す:PMとデザイナーが互いの強みを活かしながら密接に協働する
これらの取り組みにより、チーム全体の方向性を合わせつつ、スピーディーかつ質の高い開発を実現できます。PMとデザイナーが互いの専門性を尊重しながら、柔軟に役割を超えて協力することが、プロダクトの迅速な立ち上げと成功につながるのです。