LT2:他部門と積極的に連携するミエルカ開発チームのアプローチ
- 株式会社Faber Company 市川莉緒氏、三枝萌香氏
- 発表スライド
株式会社Faber Companyからは、ミエルカ開発チームにおける他部門との連携アプローチについて発表がありました。
新人デザイナーが直面した課題
Faber Companyのミエルカ開発チームでは、アクセス解析という難易度の高いタスクを、初心者でも直感的に使えるようにするという課題に取り組みました。しかし、新人デザイナーにとっては以下のような困難がありました。
- 初心者の気持ちは分かるが、熟練者の視点が必要
- 1人では到底解決できない複雑な課題
3つのステップで課題を克服
これらの課題を克服するため、ミエルカ開発チームは以下の3つのステップを実践しました。
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理解
- PMを通してCS(カスタマーサクセス)・営業チームにリーチし、情報収集とヒアリングを実施
- プロダクトの理解と顧客理解を深める
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課題意識の擦り合わせ
- 社内で複数部署からメンバーを集めたワークショップを実施
- 「開発目線」「売る目線」「使う目線」からその機能の妥当性を検討する
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言語化
- 実装前段階でのベトナム開発チームとのキックオフを実施
- これまでのプロセスや決まったロジックを言語化し、チーム間のギャップを埋める
デザイナーとPMの視点からの学び
この取り組みを通じて、デザイナーとPMそれぞれが重要な学びを得ました。
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デザイナーの視点
- 課題感を都度PMに共有し、PMが適切なポイントにつなぐ流れがあることで、プロセスがスムーズになり安心感が得られた
- 商談同席や失注・解約レポートなどから得られる学びが多く、デザイナーも積極的に参加する意義を感じた
- デザインにおいても職務においても、目的のためにある程度「こだわりを捨てる」ことの重要性を認識した
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PMの視点
- PMはビジネス、テック、クリエイティブ(デザイン)の「ハブ」としての役割を担う
- 自分のナレッジを上げるだけでなく、3要素をつなげていくことが重要だ
- エンジニア、デザイナーも積極的に現場に出ることで、同じ視点や課題意識を持って取り組めるようになり、開発のスピード感が上がる
- 「自分の職務範囲はこれだけ」と限界を決めないことで、より多くの可能性が見えてくる
総括
Faber Companyのミエルカ開発チームの事例から、新人デザイナーを含むチームが他部門と連携して成果を上げるためのポイントは以下の3つにまとめられます。
- 理解を深める:PMを介して他部門とつながり、プロダクトと顧客への理解を深める
- 課題意識を擦り合わせる:複数部署を巻き込んだワークショップで多角的な視点を得る
- プロセスと決定事項を言語化する:チーム間のギャップを埋め、共通認識を形成する
これらの取り組みにより、デザイナーは自身の専門性を活かしつつ、ビジネス全体の文脈の中で働けるようになります。同時に、PMは各部門をつなぐハブとしての役割を果たし、チーム全体の生産性と創造性を高められます。