ハッカソンから生まれた、1つ目の生成AI活用
高橋:実際のAI活用の内容について教えていただければと思います。
熊谷:「M&Aクラウド」は、M&Aの売り手企業さま・買い手企業さまにご利用いただいているサービスなのですが、売り手企業さま向けにリリースした施策では、「会社情報の自動入力機能」があります。この施策は、先ほどお話ししたハッカソンで生まれたアイデアです。
「M&Aクラウド」ではマッチングのために、売り手企業さまから多くの情報をいただく必要があります。売り手となる経営者の方も多くの場合、売却・譲渡をするのは初めてなので、どういう情報をどれだけ入力するべきか?ということが分かりづらく、登録に至らないことが課題でした。また、情報の密度が充実していないと、マッチングの機会損失にもつながります。
そこで、生成AIを活用し、売り手企業さまのホームページ情報から、「売却案件」としての登録に必要な項目を自動入力できるようにしました。
高橋:実際この施策を導入してみて、いかがでしたか。
熊谷:M&Aマッチングプラットフォームは、買い手企業さまにどのように興味を持ってもらうかが非常に大事です。今回の施策によって、売却案件の特徴や強みを見出しやキーワードとして明確に表示できるようになりました。これによって買い手企業さまが自社のニーズに合う案件を確認しやすくなり、マッチングがうまれやすくなった、という声をいただいています。
高橋:この施策における課題はありますか? 弊社エクスプラザもeコマース業界で商品情報の要約などはプロジェクトとして実施した経験がありますが、どういった商品やカテゴリにどのような情報があると売れやすくなるのか、といった部分は改善の余地がたくさんあるなと感じました。
熊谷:弊社のケースではあくまでβ版としてリリースしており、各企業さまには初めに整理するための参考情報としてご利用いただく前提で提供しています。M&Aビジネス自体、eコマース業界ほどトランザクションが多いわけではないので、少しずつUX的な検証を重ねていければと思っています。