SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

ProductZine Day 2024 Summer

日本一のプロダクトと開発組織を目指す、jinjer社の飽くなき進化

フラットなティール型組織で、チーム全員をワークさせるチームマネジメントの手法

日本一のプロダクトと開発組織を目指す、jinjer社の飽くなき進化 第2回

 近年、ティール型組織や自己組織化チームが注目される中、「フラットな組織では意思決定が遅くなる」「主体性が求められすぎて働きづらい」といった課題を感じる企業も少なくありません。jinjerでは、ティール型組織の考え方をベースに、開発チーム全員が主体的に動き、成果を出し続ける組織運営の仕組みを確立してきました。連載第2弾の本記事では、jinjerの開発組織がフラットな環境でもチーム全員が機能するために実践しているマネジメント手法を紹介します。また、「プロダクト開発における意思決定のスピード向上」「自律的なエンジニアチームの育成」「組織の課題を解決するリーダーシップの発揮方法」など、自社の開発組織に活かせる知見を提供します。

ティール型組織下におけるメンバーの“新しい価値”とは

 近年、企業の組織運営において、従来のヒエラルキー構造を極力排し、メンバーが自律的に意思決定できる「ティール型組織」が注目を集めています。このティール型組織は、単なる組織形態の変革にとどまらず、企業文化や働き方そのものを進化させるアプローチとして、多くの企業が採用を進めています。

 ティール型組織の根幹にあるのは、「権限委譲」「自由」 を軸とした「フラットな組織」の実現です。従来のようにマネージャー層が指示を出し、それを現場が遂行するトップダウン型の組織とは異なり、jinjerでは「指示待ち」ではなく「意志を持って動く」文化を大切にしています。

 メンバー一人ひとりが責任を持ち、自ら課題を見つけ、判断し、解決へと導くことが求められます。「やらされる側」ではなく「創り上げる側」へと、すべてのメンバーが意思決定の一端を担うことで、組織全体の推進力が高まり、スピード感のある開発と高品質なプロダクトの実現につながっています。

 上記のように、jinjerの開発組織では「フラットな開発組織」を重視し、メンバー一人ひとりが主体的に動ける環境を整えています。従来のトップダウン型の開発体制では、意思決定が上層部に集中し、柔軟な対応が難しい場面もありました。しかし、jinjerではメンバー自身が課題を発見し、解決策を提案し、自ら行動することで、よりスムーズにプロジェクトを推進できるようになっています。

 意思決定のプロセスを「民主化」することで、組織の一体感が生まれ、メンバー全員が主体的にプロジェクトに関われるようになりました。フラットな環境だからこそ、一人ひとりの意識や責任感が開発のスピードと品質の向上につながり、より良いプロダクト開発を実現しています。

 このようなフラットな開発組織において、各メンバーにはこれまでとは異なる価値の発揮が求められます。単に上司やマネージャーからの指示を待つのではなく、「自ら課題を発見し、解決に向けて主体的に動けるメンバー」こそが、これからのティール型組織で必要とされる存在となります。

 ティール型組織では、エンジニアの役割も単なるソースコードの記述やプロダクト設計にとどまりません。それ以上に、チーム全体の生産性を高めるために、技術的な貢献だけでなく、組織の課題を捉え、解決に向けた行動を起こすことが求められます。例えば、ボトルネックになっている課題をいち早く発見し、最速で解決策を考案・実行できるエンジニアが組織に与える影響は非常に大きくなります。

 自ら課題を発見し、迅速に解決へ導く、いわゆる「課題解決ブルドーザー型エンジニア」が、多くの課題に対して、積極的かつスピーディーに解決へと導ける人材として、フラットな環境下では大きな価値を生み出します。このタイプは、単に与えられたタスクをこなすのではなく、問題を自ら定義し、解決策を考え、それを実行に移す力を持っています。こうしたメンバーが増えることで、チーム全体の機動力が向上し、プロダクトの開発スピードも加速していくのです。

次のページ
フラットな環境で、開発チーム全員をワークさせるためのマネジメント手法

この記事は参考になりましたか?

日本一のプロダクトと開発組織を目指す、jinjer社の飽くなき進化連載記事一覧
この記事の著者

高村 亙(jinjer株式会社)(タカムラ ワタル)

執行役員 CTO プロダクト統括本部 プロダクト開発本部 本部長 組み込みエンジニアとしてさまざまな案件に従事。2019年に大手人材会社に入社しWeb会議システムや「ジンジャー勤怠」の開発責任者を担当。その後EC業界に転向しVPoEとしてプライムへの鞍替えに貢献後、オフショア開発企業にて役員と...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山本 大地(jinjer株式会社)(ヤマモト ダイチ)

プロダクト統括本部 プロダクト開発本部 VPoE 2017年に大手人材会社に新卒で入社。営業、CS、開発を担当しSIerに転向。数々の新規プロジェクトのマネジメントをしながら新規組織の立ち上げや組織拡大に貢献。2023年5月にjinjerに入社。現在はVPoEとしてエンジニア組織のマネジメントやプロダクトのグロースに関わる業務を担う。 X:@jinjer_daichi https://x.com/jinjer_daichi

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

ProductZine(プロダクトジン)
https://productzine.jp/article/detail/3328 2025/03/28 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング