問われるのは「日常的に広く深く思考をしているか」
ではどうやって応募者のプロダクトマネージャーが優秀か否かを見極めているのか。結論としては、「どこまで広く深く考えられているかが最も重要」とのお話でした。
例えば応募者が「こういう成果を出しました」と言ったときに、次のように質問を重ねていきます。
「その成果はなぜ出せたと思いますか」
「事業戦略とその成果はどのようにひもづいていますか」
「そもそも、なぜそれが課題だと認識しましたか」
いわゆる、なぜなぜ分析のように「なぜ」を重ねて質問して、応募者の方の思考がどこまでついていけるかどうかを見極めているそうです。これはその場の対応力や瞬発力ではなく、普段からどれだけ広く深く考えているかが問われます。
機能設計を例に取れば、目の前の機能だけにとどまらずプロダクト全体や事業戦略の視点、ひいては市場全体の競争環境を踏まえた視点から語れるかどうか。日常的にあれこれ思考していなければ、面接の場でいきなり話すことは難しいでしょう。
その他には、「なぜ上司がそのミッションを自分に与えたのか?」「自分に与えられたミッションが、なぜ部門として取り組む必要があるのか?」「全社的には経営戦略のなかでどんな位置づけになるのか?」といった問いの繰り返しはとても有効で、それを日常的に行っているか否かで面接時に差分が出るというのが、セミナーにおける私の個人的な気づきでした。ちなみにこれはプロダクトマネージャー以外の職種にも共通する話だと思います。
一方、面接で深掘りした質問を受けて適切な応答ができず、「上司からそう指示されたから」「会社としての方針がそうなっているから」と表面的な回答に終始してしまう人もいます。
その多くは自分の目の前に見えている世界だけで思考が止まっているのが原因だと思います。俯瞰的に物事を把握したり、事象の背景を分析したりする思考が不足しているかもしれません。
プロダクトマネージャーはユーザーをお客様として意識している人は多いと思います。ユーザーにとってよいことを追求する観点は、ほぼすべてのプロダクトマネージャーが持っているでしょう。しかし、事業責任者や経営者はそれだけで意思決定をするわけにはいきません。
一口にユーザーと言っても既存顧客も新規顧客などさまざまである上に、自社のステークホルダーには株主や社員もいます。マーケットや競合他社の動向も見る必要があるし、社内の部門やチーム間で意見や利害が対立することもあります。
あちらを立てればこちらが立たずというトレードオフだらけの状況で、最善と思われる意思決定を行い、その結果を受けて新たな業務のサイクルを回しブラッシュアップしていく。日常的な広く深い思考がなければ、このサイクルを回すことはできません。より高いポジションで仕事をしたいなら、この能力と経験を磨く必要があります。