プロダクトマネージャーは「プロダクトのCEO」ではなく「創業者」であれ
インタビューの終盤、プロダクトマネジメントにおいて重視している考え方を尋ねると、ゴールドマン氏はよく使われる一つの言葉を否定した。
「プロダクトマネージャーは、いわゆる『そのプロダクトのCEO』であるという考え方がありますが、私はそれは間違った枠組みだと思っています。私が大切にしているのは、プロダクトマネージャーはそのプロダクトの創業者(ファウンダー)』であるべきだという考えです」
自身もスタートアップを創業した経験を持つゴールドマン氏は、創業者としての視点を持つことで、プロダクトマネージャーに大きな裁量と広い視野がもたらされると語る。
「解決しようとしている『プロダクトマーケットフィット(PMF)』の根本的な問題は何か。そしてそれをプロダクト、テクノロジー、市場展開(GTM)、販売チャネルでどう解決するのか。自分が単に仕様を書いたり、他のチームに仕事を引き渡したりするだけの人間だと考えるのではなく、顧客の問題を解決するために何ができるのかを全体的な視点で捉えることができます。最終的に会社が必要としているのは、自分自身をプロダクトの創業者だと考え、根本的なPMFのギャップを解決することなのです」
変化の激しい時代における、ものづくりの本質
最後に、日本のソフトウェアデベロッパーやプロダクトチームに向けて、ゴールドマン氏からメッセージが送られた。
「開発の世界は、おそらくこれまでの歴史のどの時点よりも、この半年間で大きく変わりました。私自身も、1行1行コードを書いていた状態から、今では一切コードに触れず、仕様書の世界だけで生きるように変化しました。そして、私たちの仕事のやり方は今後も変わり続けていくでしょう」

AIがコードを書き、エージェントがインテグレーションを構築する世界。そこで人間に残されるのは、根源的な「課題解決」に向き合うことだ。
「開発者にとって重要なのは、新しいツールを試す際に自分自身に対して寛容であること。そして、自分たちの仕事は常に『問題を解決するために何かを作ること』であり、『単にコードを書くこと』ではなかったのだと思い出すことだと思います」
Notionの目まぐるしい進化の裏には、こうした本質的なものづくりへの真摯な姿勢と、職種を超えて顧客価値に向き合う強いカルチャーがあった。ツールやAIがどれほど進化しても、課題を見極め、解決策を市場に問うプロダクトマネージャーの役割は、より重要性を増していくに違いない。
