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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第2回開催です。

ProductZine Day 2024 Winter

ProductZine Day 2024 Winter

成長企業の事例から学ぶプロダクトマネジメント

事業成長に伴い訪れたユーザーの変化に、異なる職域のメンバーが協働して立ち向かう――MakuakeのCXチーム組成の挑戦

 アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」は、また世に出ていない新しいモノやサービス、またそれを生み出す生産者や企業を応援できるマーケットプレイス。次々に新しいアイディアのプロジェクトや商品が展開されるため、通常のeコマースとは違ったユーザー獲得、継続のための対策が必要となる。購入ユーザーの獲得と、そのロイヤルカスタマー化に試行錯誤する株式会社マクアケのCXチームの活動と、それを支える株式会社ゆめみの内製化サポートについて聞いた。

インタビュイー

株式会社マクアケ 取締役 CTO 生内洋平氏

 バンドマンからデザイナー、アートディレクター、Webエンジニアを経て2017年にCTOとして株式会社マクアケに入社。テクノロジーの活用ビジョンを示す役割を担い、2021年10月からはCXチームを組成して応援購入サポーターに対する施策に取り組む体制を構築した。

株式会社マクアケ エンジニア 田中広支氏

 2020年5月に入社。エンジニア統括リーダーを担いながら開発チームをまとめるとともに、CXチームでプロダクトオーナーとして、応援購入サポーター獲得と継続利用に関する施策の立案や実行に取り組んでいる。

ECサイトとは異なり、ニュースサイトのような新たな発見を提供する「Makuake」

 社会をワクワクさせるチャレンジ、新しい商品やサービス、プロジェクトのマーケットデビューを行える応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」。ここで発表される新しいモノや体験を購入することで応援できるのが「Makuake」で、その販売手数料がサービスの収益源となっている。2013年のサービス開始以降、チャレンジを行うプロジェクト実行者も、応援購入を行うサポーターも順調に増加し、2019年に東証マザーズに上場を果たした。さらに成長を続けている株式会社マクアケで、応援購入サポーターに対するケアや体験向上にフォーカスしたサービス改善を行っているのが、2021年10月に設立されたCXチームだ。

 「1年ほど前から、CXチームの前身として、マーケティングとUXと開発の足並みを揃える『MUXチーム』がありました。そこからより本格的に顧客である応援購入ユーザーに向き合うという意味でCXチームを組成しました」と語るのは、取締役CTOの生内洋平氏。それぞれ独立していた部門を連携させる体制となったのだ。

 開発本部のうち、約3分の1のメンバーがCXチームに所属している。その他には決済関連を担当するチーム、プロジェクトの実行者のオペレーションを担当するチームがある。CXチームの開発は、Webブラウザ向けと、スマートフォンアプリ向けの体制をいくつか構築しており、生内氏とこれらの体制のリーダーが集まって、戦略を考える体制となっている。

 株式会社マクアケ エンジニアの田中広支氏もチームメンバーの一人で、さまざまなKPIのもと、サービス改善に努めている。

 「Webブラウザで提供しているサービスのチームでは新規訪問ユーザーが多いため、DAU(日次ユニークユーザー)を見ています。アプリのチームでは、ユーザーを定着させ、複数回の利用につなげるための施策を行っています。どのチームもスクラムをベースに、プロダクトオーナーとスクラムマスターを置き、そこに最適な開発メンバーを割り当てて進めています。各チームのエンジニアは3~4名程度です」(田中氏)

 Makuakeで月あたり開始されるプロジェクト数は平均700件以上で、それぞれ1~3か月程度公開されており、常時2000ほどのプロジェクトがアクティブになっている。公開されるプロジェクトのカテゴリは多岐にわたり、ECサイトと同程度ではあるが、購入期限が設定されているためにユーザーが頻繁にリピートして購入する定番商品のようなものはない。3か月前に気になる財布が売っていたからといって、現在も同じものが購入できるとは限らないのだ。

 「Makuakeの購入者は、プロジェクトに魅力を感じて応援購入に至ります。応援購入サポーターが、面白いものはないかと定期的にチェックすることを楽しんでもらえるような、ニュースサイトに近いような使われ方をしています。いつどんな商品が出るか分からないという楽しさを伝えていきたいのです」(生内氏)

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顧客のニーズをつかめず、開発工数の増大にも悩まされる

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://productzine.jp/article/detail/793 2021/12/24 15:00

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